【ご報告】ゾウ用ミルクと哺乳瓶が納品されました

安佐動物公園のクラウドファンディングにご支援いただきありがとうございます。

 

6月末、皆様からいただいたご支援で購入したゾウ用ミルクが納品されました。

 

生まれてくる子どもは、メイに任せて母乳で育ててもらえるよう努力する予定です。それでもメイが育てなかった場合には、人が親代わりとなる人工哺育を行います。その際に使用するためのミルクです。

 

 

1箱に10㎏の粉ミルクが入っており、合計29箱、290㎏あります。

 

 

箱の中には、2.5kgずつ小分けされてミルクが入っています。

 

ゾウの母乳の成分は、2年以上に及ぶ授乳期間の間で子どもの成長に合わせて変わっていくことが知られていますが、次のような特徴があります。

 

・脂質が高く、脂質の成分もウシやヒトと異なり中鎖飽和脂肪酸が多い

・蛋白質はウシ程度、ヒトよりは大分多い

・オリゴ糖が多い

・グルコサミンが多い

 

市販のウシ用ミルクやヒト用ミルクとは組成が異なるため、ゾウで人工哺育が必要になった場合には、ヒトや他の動物用ミルクに追加で添加物や油を加えたものや、ゾウ用で設計したミルクが使用されてきました。国内では、株式会社森乳サンワールドさまがゾウ用ミルクを製造しています。もちろん、受注生産の商品です。今回はこのミルクを購入させていただきました。

 

子ゾウがなかなか飲まなくで無駄になってしまう量を考えても、余裕をもって3か月以上の哺乳を賄える量を購入しています。3か月以降は、必要となってから注文するミルクが間に合う予定です。

 

人工哺育で使用予定の哺乳瓶も購入しました。

 

 

ウシ用のもので、満タンまで入れれば3.5L入ります。

 

生まれたばかりの子ゾウには、2～3時間おきに1回500mL程度、1日あたり４～５L程度のミルクを飲ませる必要があるとされています。生後6～7か月程度が最もミルクの量が多い時期で、1回約2.5Lを３～４時間おき、1日では20L程度のミルクを飲むそうです。

 

動物の子どもは、なかなかミルクを飲んでくれないことが多いです。動物園が持っているものも合わせて数種類の哺乳瓶を用意して、子ゾウが飲んでくれるものを試す予定です。

 

出産に向けての道具も徐々に揃い始めています。

 

過去のアフリカゾウの例からは、8月後半くらいから出産する可能性がある時期に入り、9月末くらいまでには生まれてくるだろうと考えています。

 

今後ともメイや他の動物たちの応援をよろしくお願いいたします。