BC Tube編集部コラム：理事　山下奈真

　皆様こんにちわ。BC Tubeの山下奈真（なみ）です。BC Tubeクラウドファンディングでご支援頂いた皆様、本当にありがとうございます。今回クラウドファンディングという形で、皆さんと繋がることができ、これからどのような化学反応が起きるのか、BC Tube一同ワクワクしております。

　COVID-19で世界中が未曽有の事態に陥った2020年。ボストンでは2020年3月23日から本格的なロックダウンが開始されました。およそ3か月は生活必需品の購入、運動目的の外出以外はできず、一日言葉を発することなく終わる日も度々ありました。テレビをつければNYの公園で人工呼吸器につながれる感染者、ボストンではダウンダウンの暴動でパトカーが燃やされる。このような異常事態の中、研究をしに渡米したにもかかわらず、実験もできず、日本にいるときのように診療することもできず、自分の社会的存在意義が揺らぐ感覚を多くの留学者が感じたことは確かです。

　そんなささくれだった時分に、たまたま安否確認で会った同じラボに勤務していた伏見先生の提案でBC Tubeが誕生しました。少しでも社会の役に立つことはできないかと皆で考え、多くの人に①分かりやすさ ②正確さ ③アクセスしやすさを兼ね揃えたブレストアウェアネス・乳がんの医療情報を届けるという目的でYouTubeチャンネル「乳がん大事典【BC Tube編集部】」で情報発信を開始しました。動画作成では、複数名の乳がん専門医(コアメンバー)で十分に議論を行った上でおこない、さらにコアメンバーとは独立した複数乳腺科医によるピアレビュー制を導入し、科学的妥当性を担保しています。動画作成の上で最も注力したのは、患者さんとの乳がんに対するイメージギャップを埋めること。「乳房痛＝がん」「がんになったら普通の生活できない」「乳がんは遺伝する」etc…乳がんに対するイメージギャップをアンケートで調査し、市民・患者さんのニーズに従い動画作成を行ってきました。市民・患者さんから構成されるBC Tube後援会の事前視聴も加え、内容の理解しやすさにも配慮した上で最終的に動画のアップロードを行いました。まさに皆さんのご協力なしではBC Tube動画は配信できません。

　今回クラウドファンディングでは、私達が普段お会いすることが無い、まだ病院を受診していない方々に健康に対する気づき・ブレストアウェアネスを届けることを目標としております。本プロジェクトはクラウドファンディングが終わってからが本番です。本プロジェクトに支援いただいた方には、誰に対しても送ることができる手紙（メッセージカード）およびブレストアウェアネスカードが送付されます。皆さんにとって大切な人にどうか一言、健康に対する気づき・ブレストアウェアネスを届けてください。あなたの一言が、大切な誰かの命を救うかもしれません。これは私達にはできない、皆さんにしかできないことです。社会全体が乳がんについて知ることで優しく支え合える社会を目指して。

　昨日までの普通を突如失い、今何が出来て、今何をしなければいけないのか？COVID-19がなければ考えなかったことかもしれません。今日出来ることを一つづつ、皆さんと一緒に丁寧に積み上げていきたいと思います。今後ともどうぞご支援の程よろしくお願いいたします。