♥こどもたちのおはなし　11♥　「あひるのたんじょうび」

年齢が小さいほど、

言葉とは遠いところで、何かをつかんでいるような気がします。

それは、まだ、習ったばかりの文字の世界では表現できないのでしょう。

 

ずっと会っていなかったのに、お誕生日に突然訪ねてきたお母さん。

なぜ？

・・・なにか、ありそう。

そして、二人の心の内は？

 

 

「大切な人を思い出したら」の、あなたに贈ります

 

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「あひる　の　たんじょうび」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　市村千夏（小学一年）

 

 

ある日、おうちに、あひるがいました。

きょうは、あひるのたんじょうびです。

あひるのたんじょうびは、

ちょうど、イースターの日とおなじ日でした。

 

あひるは、

じぶんのたんじょうびなので、

ともだちをよぶことにしました。

 

ともだちのうさぎは、

いちごケーキをつくってきてくれました。

くまは、かんむりをもってきてくれました。

ライオンは、いろいろもってきてくれました。

チータは、ろうそくをもってきてくれました。

 

 

あひるは、「うれしい」といいました。

 

そのあと、ピンポン〜と、いいました。

あひるは、「だれかきた」といいました。

 

 

それは、ずーっとあってない人でした。

それは、あひるのおかあさんでした。

「あ、おかあさん」と、あひるのこはいいました。

 

そして、

うさぎと、くまと、ライオンと、チータと、

あひるのおかあさんといっしょに、もりあがりました。

 

                                                                         おしまい

 

チューリヒの古本屋さんにあった、1961年出版のドイツの絵本。

表紙をめくると、持ち主の名前が。

バルバラちゃんも、あひるのおはなしがすきだったんだね。