陸羽東線で活躍した蒸気機関車を修復し、歴史と共に未来へ!

支援総額

5,327,000

目標金額 3,000,000円

支援者
286人
募集終了日
2024年5月31日

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2024年05月08日 07:00

【シゴハチの日】伝説の寝台特急あけぼの・急行津軽、陸羽東線迂回

鉄道文化連結会の大場です!

いつも当プロジェクトを御支援いただきありがとうございます!!

本日2024年5月8日は「シゴハチの日」です。

これにちなみ、鉄道ファンの間では伝説として語り継がれている「寝台あけぼの・急行津軽」についてご紹介させて頂きます。

 

陸羽東線では、山形や秋田を連ねる奥羽本線が自然災害等によって鉄路が断たれてしまったときの迂回路に設定する事があり、近代だと山形新幹線開業に伴う工事のためディーゼル機関車重連運転による「寝台特急あけぼの」が陸羽東線を走行した事がありました。

 

・・・それよりも以前の1973年4月。

冬場の除雪運用を終えたディーゼル機関車が本線運用に入る時期を迎え、陸羽東線のC58に最後の時が迫っていた時の事でした。

 

奥羽本線の芦沢-舟形間で土砂崩れが発生。

この事により急遽、蒸気機関車牽引による「急行津軽」が陸羽東線を駆けることになります。

さらに4月12日だけ「寝台列車あけぼの」が陸羽東線を経由し、このとき同じく同線に残っていた蒸気機関車C58が牽引。これはこうした緊急事態も含めて、定期特急列車を蒸気機関車が牽引した最後から2番目の事例として、鉄道ファンからは伝説の出来事として語り継がれてきました。

 

「最後のドラマ」 (くまのたいら企画様ホームページ)

↑上記サイト様にて急行津軽迂回の様子を詳細に記録されております。

鉄道ファンなら胸が熱くこと間違いなしです。

 

4月12日長期迂回が決定し、新庄駅でオユ10を従えて迂回「津軽」初列車となる402列車「津軽1号」の到着を待つ前補機C5819と本務機C58328。

 

後部にC58228を従えて、C58122牽引特急「あけぼの」は力強く陸前古川駅を発車する。

この時の様子を陸羽東線の蒸気機関車の歴史を記録してこられた第一人者である眞船直樹氏は次のように記されております。

 

「蒸気特急対蒸気急行のすれ違い、という奇跡が今まさに始まろうとしているのだった。それはポイントを渡る軽やかな音で始まった。幹線の蒸気急行が消えてから久しく聞かない懐かしくも頼もしい音だった。「みちのく」の、「青葉」の、「北斗」の音だった。牽引機のC58328。乗務員が乗り出すようにして特急の乗務員と挨拶を交わす。互いに思わずニヤッとしたその表情には「お互いすごい列車を引く事になりましたねぇ」といった含みがありありと浮かんでいる。挨拶を送った白い軍手が飛び去ったあとには螢光灯の列が続く。網棚はスーツケースでいっぱいだ。(中略)青い列は前後から煙攻めにされるような姿で小さくなってゆく。わたしは上空に残った灰色の煙に今起きた信じられない光景の余韻をかみしめた。-これが奇跡の始まりであり最大の奇跡であった。」

 

新人物往来社出版「再現!鉄道大追跡」より

 

 

なお大崎市古川ご出身の眞船直樹氏は「陸羽東線で活躍してきた蒸気機関車を記録していく事を、この古川で生まれた者としての責務として撮影をしてきた」と語られておりました。また今日のSL保存運動も、眞船氏の貴重な記録を知り得ていたからこそ現役時代を知らない世代でも「このシゴハチを遺していきたい」という想いとなりスタートしたものでもありました。

 

ここで改めて今回保存に転進できたC58形114号機の歴史について眞船氏からのコメント内容をご紹介させて頂きます。

 

「あの機関車は、1944.8の仙台転属のお陰で1945.7.14の日本最初の都市に対する艦砲射撃である釜石砲撃を逃れた機関車で、戦後、いち早く陸羽東線に入線した機関車です。転属は昭和24年の10月改正を目指して行われました。陸羽東線は昭和25年10月の大改正からC58化される予定でしたが、昭和23年のアイオン台風のため、山田線が不通となり、宮古のC58が余剰になったため、前倒しでC58化しました。ただし、宮古のC58のみでは足らず、当時、宮古と並んでC58の牙城であった会津若松のC58も導入しました。このため、会津若松のC58は一掃され、代わりに1年だけC55で代用しました。したがって、昭和24年、C58114は小牛田へ、C5547は若松へと仙台から旅立った形になっています。昭和25年には磐越西線の軌道強化が完成し、西は新津のC57、東は若松のD50で正式に輸送力強化されます。1年限りのC55は若番が九州へ、47〜50が北海道へと南北生き別れとなります。この話は、今や誰も知りません。いずれにしても114は陸羽東線シゴハチの時代をほとんど知り尽くしている機関車で、保存される以上、正しいの史実も伝えていいかなければならないでしょう。」

 

今回のSL保存運動では西古川の19号機、中山平の356号機を守ることが出来ませんでした。

同じように利府で保存されていた354号機も解体されました。

こうした全国で絶えない鉄道車両の解体、そうした中で守ることのできたC58114。

今回のシゴハチ復興プロジェクトではそうした史実も胸に秘めながら前進していきたいと思います。

 

 

そして今回の活動報告の最後として、眞船直樹氏の御意見をご紹介させて頂きたいと思います。

 

「今、C58形蒸気機関車をどう未来に継承するか、が問われている。すでに大崎市が所
管していた3両のうち、2両は解体された。解体したということは、この2両の蒸気機関車
が伝えてきた文化の継承を断ち切った責任が、私たちの世代にあるということだ。残った
のはC58114。この機関車から、私たちは、失われたもの以上の文化的価値を引き出す責任
がある。


仕事でアメリカ住まいだった頃、のどかな農村地帯で、思わず「古川」に出会った。
川に面して蔵が立ち並ぶ倉敷よりも情緒のある市街地を持ち、ゴッホが描いた南フランス
の絵のような田園が広がる、美しい故郷だった本物の古川ではとうに失われたものが、外
国の地にあるという皮肉はあまりにも衝撃だった。なぜそんな事になったのか、行き着い
たのは、文化への敬愛があるか否かではないか、ということだった。現在は過去という土
台の上に成り立っているという厳然とした事実を意識して生きていれば、新しいものは全
ていいという妄想に取り憑かれることはない。そして、過去への畏敬と誇りを持っている
ことは、今を生きる自信につながり、未来への希望になるはずだ。そんな土台に立たずに
明るい未来などと語るのは、まやかしでしかないことが明確になるのを感じた。


今、C58114を前にして、私に何ができるのかと問うてみる。陸羽東線、C58の正しい
歴史を伝えることしかないだろう、と結論する。歴史は、都合でバイアスがかかる代物で
ある。陸羽東線、C58を語っても、ウソはいけない。間違っては恥ずかしい。決して鉄道
に精通していなくとも、正しい見方ができるかどうかだけが、文化の質を決める。良質な
文化育成に関わることが、私の果たす役割なのかと覚悟するためにC58114の前に立つ。


陸羽東線のC58の本格的な活躍は、カスリン、アイオンの連続した台風被害が下地に
なり、1949年、キティー台風の惨禍の中で始まった。そして、1973年、奥羽本線土砂崩壊
の迂回輸送の中で終焉を迎えた。つまり、陸羽東線のC58の歴史は災害で始まり災害で終
わった。こうした史実が誰にも語られていない現状が「C58文化」の確立の難しさを
予言しているようにも思えるからこそ、やらなければならない。」

 

 

 

陸羽東線シゴハチ復興プロジェクトではこうした史実も「デジタルアーカイブ」としてSL保存整備維持活動と並行しながら進めて参りたいと思います。引き続き皆様からの御支援を心よりお願い申し上げます。

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