当会レバノン事務所駐在員からのメッセージ

 

 

こんにちは。パレスチナ子どものキャンペーンの田浦です。

スタートから5日が経過しました。これまで20名以上の方にご支援いただき、本当にありがとうございます。

本日は、当会レバノン事務所の割田駐在員から皆さまへのメッセージをお届けしたいと思います。

 

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レバノン駐在員の割田と申します。レバノンに赴任し2年半ほどになります。赴任当初からこれまで、経済危機の深刻化、新型コロナウイルスの感染拡大、ベイルート港爆発事故と、レバノン国内の状況がみるみるうちに悪化していくのを目の当たりにしてきました。

 

 

そうしたなかでパレスチナ難民の方々が度重なる苦難に直面している中でもなお他者を気にかけ、希望を持とうとする姿勢に、むしろ私の方が支えられていたことに気づきました。特に「子どもたちの純粋で人を思いやる心」には毎回感銘を受けます。今日は山間部のワーベル難民キャンプに暮らし当団体の補習クラスに通う小学生のムハンマド君を紹介たいと思います。

ムハンマド君は注意欠陥・多動性障害（ADHD）を抱えており、学習能力が周囲の同学年の子どもに比べて低く、学校の授業についていくことができませんでした。当会は現地パートナーNGO「子どもの家」と一緒に、研修を受けた教員により、ムハンマド君のような学習に困難を抱える子どもたちも含めて1人1人の子どもが今後生きていくための力を身につけるための教育支援を行っています。

 

ある日、母親がムハンマド君に将来の夢を聞いたところ、彼は「僕はバスの運転手になりたい。バスの運転手になって、学校へ行きたいけど遠くて交通費が払えない子どもたちや、遠くに暮らす家族に会いに行きたいと思っている人を乗せてあげたい。もちろんお金は取らないよ。」と言ったそうです。

 

ムハンマド君の母親は彼の将来に不安を抱えており、私に対し「ムハンマドはお金について良くわかっていないのです。」と笑ってお話をしてくださいました。

 

しかし、実はムハンマド君はいつもお母さんや周囲の大人たちが抱える困難などを敏感に感じ取り、そうした人を助けたいと思ったのではないかと私は思います。このように考えている子どもはムハンマド君だけではありません。多くの子どもたちがパレスチナ人としての誇りを持ち、自分たちが将来を担っていくのだという気持ちを持っています。　

 

子どもは将来への「希望」です。希望を紡いでいくことが私たちの使命であると同時に、私にとっての原動力となっています。私たちは今後も引き続き希望を紡いでいくための支援を実施していきます。皆様の温かいご支援が子どもたちの未来を守り、未来への希望を守るための大きな力となります。どうか温かいご支援のほどよろしくお願いいたします。

（レバノン事務所　割田）