野犬を選択肢に。

なぜ山口県は野犬が多いのか。

これには様々な要因があり、ひとことでは説明ができません。

 

 

けれど、都心部で今は見かけなくなったように、地道な活動を続ける事だけが、この先の未来を変えられると信じています。

 

野犬と聞くとどのようなイメージでしょうか。

凶暴そう、怖い、懐かなそう…

 

その多くは誤解です。

野犬はただただ臆病な、野生動物です。人間との関わりが無いため、人間という生き物に怯えますが、余程の事がなければ攻撃的な態度はとりません。

怖いと思っているのは、実は彼らの方なのです。

 

 

懐かない、これも決してそうではありません。

時間をかけて少しずつ、人間というものは美味しいごはんと安心な寝床を提供してくれる良い存在だと理解してもらえたら、彼らは驚くほど無邪気な顔を見せてくれるようになります。

 

どの子も、野犬になりたくて生まれたわけではないのです。ただ生まれついた場所で、今を懸命に生き抜いているだけ。

 

子犬じゃなくても、血統がわからなくても、すべての子がオンリーワンで、かけがえのない命。

どうか、手をかける愉しさを味わってみてください。

犬を迎える選択肢のひとつに、当たり前の事として保護犬が加わる日を願っています。

 

 

----------------------------------------

【保護野犬の一例】

 

（保健所収容時）

（自宅へ連れて帰ってから）

中でも警戒心が強いと言われる子連れの成犬でした。保護された当時は怯えて姿を見せようとせず、子犬を守るため時に警戒し吠えたてました。

 

それが1年半で鼻を鳴らして跳ねて甘えるまでに変わりました。

今はリードをつけお散歩の練習中です。

子犬たちも、2匹は里親さんにもらわれ、2匹は母犬と一緒に幸せに暮らしています。

 

----------------------------------------

 

【野犬を迎えるための注意】

 

●野犬は脱走に厳重な注意が必要です。野山で暮らしていたため、外への執着が強く、身体能力も高く、人に近寄らず、逃げた場合に簡単には捕獲できません。

 

●フィラリアやバベシア等を罹患している場合があります。迎えたら速やかに獣医さんへ連れて行き、健康診断を受けましょう。

 

●重複しますが、年齢や健康状態等を保健所収容時に正確に把握することは難しいです。どのような状態でも飼育を全うする責任と覚悟をもってお迎えください。