貴婦人にのめりこんだ果てに、着物まで復元！

奇跡のメモ発見に導かれて、私はこの屏風の世界に魅せられてしまいました。

この花の宴に参加したい、この貴婦人を実感したい！

 

そんなまるで恋に落ちたかのような熱情は、奇跡のメモにあった打掛の「赤」に集中しました。

あの淀殿とされた貴婦人は、どんな赤の着物をまとっていたのでしょう。

 

こうなったら、止まらない私です。

 

「よし、この着物、復元してやる！」

 

詳しいプロセスを具体的に紹介するのは次回にゆずるとして（これまた面白いのです）、まずは完成品をご覧ください。

 

どーん！

 

いかがでしょう。

淀殿がこれを着ていたとしたら、どんなに威光を放っていたことでしょう。

淀殿が着ていたとされる現存の着物と大きさを同じしたので、その大きさに合う背の高さが150㎝。つまりは淀殿の身長はそれくらいと想像されます。

 

150㎝くらいの女性に羽織っていただいて気づいたことがあります。

赤い地の色が顔に映えて高揚し、着ている方がエネルギッシュに見えるのです。そして、この復元着物には本物の金糸が刺繍されているのですが、その金がキラキラとこれまた顔に映り、さらに妖艶さも加わります。

小柄であることは、まったく気にならないどころか、この羽織の効果によって大きく見えます

 

桃山時代当時は上からの照明などなく、外の横から差し込んでくる光か、ロウソクの灯りしかありません。
そんな薄暗い大広間に、妖しく赤くキラキラといらっしゃる貴婦人の異次元的オーラはどんなだったか…

 

これは実際に着物を制作し、当時と似たような環境で着てみて初めてわかる新発見でした。

デジタル復元で、淀殿を実感する。そんなことができるなんて、思いもしませんでした。でもできた。

 

なので今度はもっと大きく、「この打掛を着た貴婦人と花の宴を実感したい！」と思うようになったのです。そして、広くその感動を伝えたい。
どんなにのめりこんでいるか、お分かりいただけましたでしょうか。ぜひぜひ、この屏風における最後の夢を実現すべく、皆様、どうか応援のほど、よろしくお願いいたします。m(__)m