
支援総額
目標金額 450,000円
- 支援者
- 52人
- 募集終了日
- 2022年10月24日
なぜこれが、「醍醐の花見」なのか?
前回は「花下遊楽図屏風」という作品,そしてなぜ復元するのか,についてお話ししました。今日は,「なぜ,この屏風が『醍醐の花見』なのか」と,「見立て」という楽しい文化についてお話しします。
1.構成美の中にある説明
前回説明しました本作品の構成美。実はもう一つ秘密があります。作者の狩野長信は,主人公たちが,それと分かるように配置しているのです。

右の屏風には,大きな桜の木に抱かれるように貴婦人が,右から3番目のパネルに描かれています。一方左の屏風にも,大きな八角堂に座っている貴公子が,こちらも左から3番目のパネルに描かれています。

この貴婦人と貴公子は,全体的にはちょうど左右のバランスがとれるように配置されており,自然と二人が主人公であることを認識できるように表現されています。
あの伝説の花見が執り行われた日より10年くらい経った作品であり,花見の宴で一方の主役が貴婦人,もう一方の主役が貴公子であれば,それはもう「醍醐の花見」の淀殿と,豊臣秀吉の息子・豊臣秀頼で決まり,となるのです。
2.「見立て」という文化
「それは強引でしょ,なら,肝心の豊臣秀吉は?北政所は?」
そんな質問が聞こえてきそうです。ごもっともです。
ここで現代人にはなじみのない「見立て」という,いわば都合にいい文化を理解しないとなりません。この「見立て」は「仕掛けを読取り,見る人が判断して楽しむ」というものです。
なので,貴婦人と貴公子,というヒントを出しておいて,答えとなる秀吉はあえて描かないでおくのが,ルールです。
このような豪華で大きな花見の宴の中で,貴婦人と貴公子が主人公であるとき,人々は説明がなくてもこれが「醍醐の花見」であることを「見立て」て,まるで「自分が秀吉役だから,描かれていないのだ」,というような解釈をして,大いに楽しむわけです。
どうでしょう。楽しくないですか?
3.さらに読み進めてみる
私たちならあまりにもなじんでいるので見過ごしてしまいそうなものに,当時の人々はくぎ付けになったものがありました。

それは,三味線です。民謡や歌舞伎,小唄などに使われるこの伝統楽器は,実はこの時代では最先端の楽器でした。
それは斬新なエレキギターを弾いているのと同じようなインパクトだったのです。沖縄の三線が上陸して三味線として伝わり,新し物好きな秀吉は三味線を作らせ、それを「淀」と名づけていたといいます。
つまり,この三味線は,当時の最先端モードを表しているのと同時に,秀吉の存在を匂わしており,当時の人々はそれを敏感に感じては,にやにやと、ほくそ笑んでいたことが想像できるのです。
さあ,みなさんもにやにやと、ほくそ笑んでください。
そして,ぜひ令和の醍醐の花見にご参加いただき,桃山時代の春風に吹かれてください。
鑑賞会にて、お待ちしております。

リターン
3,000円+システム利用料

「サンクスメール」と「オンライン鑑賞会」
●感謝のメールをお送りいたします。
●東京、大阪にて開催を予定しているリアル鑑賞会に「オンライン」にて参加いただける権利
※オンライン鑑賞会には、zoomのIDとパスワードをお知らせする形でのご案内予定。
- 申込数
- 8
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年12月
5,000円+システム利用料

「サンクスメール」と「オリジナルトートバッグ」
●感謝メールをお送りいたします。
●このプロジェクトのために制作する、オリジナルトートバッグ
※画像はイメージです。
- 申込数
- 15
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年3月
3,000円+システム利用料

「サンクスメール」と「オンライン鑑賞会」
●感謝のメールをお送りいたします。
●東京、大阪にて開催を予定しているリアル鑑賞会に「オンライン」にて参加いただける権利
※オンライン鑑賞会には、zoomのIDとパスワードをお知らせする形でのご案内予定。
- 申込数
- 8
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年12月
5,000円+システム利用料

「サンクスメール」と「オリジナルトートバッグ」
●感謝メールをお送りいたします。
●このプロジェクトのために制作する、オリジナルトートバッグ
※画像はイメージです。
- 申込数
- 15
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年3月

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