福井敬さんを応援します②　津村禮次郎（能楽師　観世流シテ方）

敬さんとの新しい挑戦

能楽師　津村禮次郎　

　福井敬さんとの出会いは、といっても一観客としてですが、1997年11月新国立劇場オープニング公演で、《ローエングリン》のタイトルロールを歌われた時でした。新国立劇場見たさもありましたが、敬さんのローエングリン登場の第一声には驚かされ感動いたしました。それ以来半ばストーカー的に追っかけています。

　2018年には第40回記念小金井薪能公演「THE KUMANO」で念願の共演をさせていただきました。制作、リハーサルすべてにおいて全面的にご協力と熱意を寄せていただき、素晴らしい作品となり、皆様に感動していただきました。

　敬さんのCDはオペラ公演とは違う暖かさがあり、日本語の歌曲は、古典語を日常的に使う私共にとっても嬉しいものです。

　今回さらにスケールアップしてオーケストラの演奏による録音、CD制作の企画を伺いました。これはきっと福井敬ワールドを一層魅力的に訴えることになり、後世に残るものとなるでしょう。

　もちろんこれには熱意だけでなく、莫大な資金も必要になることは間違いありません。私も微力ではありますが、大きな楽しみを夢見つつ喜んでお手伝いさせていただこうと思います。

津村禮次郎プロフィール

シテ方観世流の能楽師。観世流緑泉会代表、重要無形文化財「能楽」保持者（総合認定）。

古典能の公演のほか指導者として若手の育成につとめ、二松學舎大学文学部教授としてその指導にあたる。また海外公演を精力的に行うほか、西洋音楽作曲家やオペラ歌手との共同制作上演や、現代演劇とのコラボレーションなど新境地の開拓を行う。