桜の襖絵レプリカ作成が進んでいます

襖絵の修復とレプリカ作成にあたり、修復の方向性や色の補正について専門家に助言をいただいている様子です。

原本の表面を保護していたビニールは取り除かれ、作品そのものの質感がよくわかるようになりました。その上で、改めてシミの除去や色彩の保護をどの程度行うかについて具体的に検討しました。

レプリカ作成には、歳月を経た味わいも残しつつ、色やけやシミの補正を行うことを確認しました。

修復に併せて、飛騨に残る三熊思孝の他の作品についての調査も進めています。同じ時代の作品を確認することで、当時の色味や三熊の作風を理解することが目的です。

昭和初期に歴史学者・岡村利平氏が調査した飛騨に残る三熊作品と言われているもののリストからいくつかあたっています。

約220年前に描かれた桜の襖絵を、100年前に調査を行なった記録が残り、何度かの修復を経てここにあることを再認識し、つないでくれた先人に改めて敬意を感じます。そして、現代に私たちがその記録と保存を引き継いで行っていることが、100年後の世代に繋がっていくことを期待しています。