看板犬トットの旅立ち

まだ写真を見ると涙がでてきます。

 

骨壺は私の車の運転席の前に置いています。
（家の中にあると子猫達が倒して遊んで痛んでしまうから！笑）
（いやいや、本当はまだ私のそばにいてほしいから！笑）

 

とうとうこの日がきてしまいました。

 

2024年11月8日
保護猫応援ファームの看板犬トットおじいちゃんが旅立ちました。

 

最後を看取ることができなかったこと
思い出すと叫びたくなるほど苦しく、辛く、悲しく、後悔の念がどっと押し寄せます。

人に飼われているのに
過酷な環境下にいたトット

 

溜まったウンチの中で
栗の木の下に繋がれていたのでいつもイガ栗を３つも体につけて

いつも痛々しい姿で

 

私が近づくと
ちぎれんばかりの尻尾をブンブン振って
猛烈にアピールしてくれました

 

子犬の時に買ってもらったまんまの
体がはみ出している、小さな小屋の中のトットの姿

 

少しずつ少しずつできることを続けて
通って

大きな小屋を手作りしてプレゼントしました。

 

もちろんフィラリア陽性

 

病院にもたくさん通いました。

手放すことを認められるまでの
長く苦しく吐き気がする嫌でしかない戦いの日々

 

猛暑の毎日、今この瞬間もトットが苦しんでいるという日々が
私はたまらなく辛くて
夜中に泣き叫ぶほど苦痛で
追い詰められていました

 

あきらめきれず
説得を続けて

 

とうとう、OKが出た数日後には
トットがいる関東へすっ飛んでいきました。

 

羽田空港近くのレンタカーを借りて
某エリアにトットを迎えに行き

レンタカーにトットを乗せて

いざ、羽田空港へ

空港近くの空き地で、出発が近づくまで
何度もオシッコをさせて水を飲ませ
岡山行きの出発時間が近づく、その時を待ちました

 

空き地にいるトットと私の上を
沢山の飛行機がものすごい音をたてて飛んでいるのに

 

トットといったら、外に連れ出してもらえたことが嬉しくてしょうがなくて
空の飛行機よりも、空き地の雑草に夢中になっている
下ばかり見て過ごしている

 

いつもそう

年中繋がれたまんま
散歩に連れて行ってもらえない

こうした不運な犬たちは
ほんの少しの自由に大感動して

新しい場所、空気に夢中になって

紐を持っているのが誰かなんてまるで関係ない

無我夢中で、ちょっとした自由をかみしめている

そんな悲しい姿のトットを
必死にまたレンタカーに乗せて
羽田空港に到着

 

大きなキャリーにトットを入れて
空港から持ってきた荷物カートにキャリーを乗せて…

 

JALの荷受けに運んで、預けて…

心配で心配で心配でどうにかなりそうな自分を押し殺して

 

トットと一旦さようなら

 

空港内で、響き渡るトットの声

（トット、あとでね…、きっと大丈夫だから！！！！！！）
（神様お願いします！！！どうかうまくいきますように！！！！！）

そして、岡山行きの飛行機に私たちが搭乗すると

 

ワン！ワン！ワン！

 

なんと、貨物室にいるトットの声が
機内に響き渡りました！

 

私たちの座席の下の方に、トットがいる！！！
本当に本当に、一緒に岡山に行くんだ・・・！！！

そして出発の時…

 

飛行機の大きな音で
トットの声が聞こえなくなり

もうあとは、終始祈るのみ…

岡山空港で
キャリーに入れられたトットと無事に再会を果たし

安堵の涙。

疲労でボロボロになりながらも
岡山の自宅へ一緒に向かい、無事到着。

トット…

 

こんなに時間がかかってしまった

本当にごめん。

 

力足りなくて、こんな私で本当にごめんね。

 

出会ってからは7年越し

 

離れてからは

２年越しの、私の願いが叶った日。

 

救いたいのに救い出せない
苦しくて苦しくてしょうがない日々…

 

思い出すと、今でも色々許せません。

それから、岡山にてトットとの生活が始まりました。

 

いつしかトットの周りには保護猫たちが押し寄せてきて…（笑）

保護猫ファームは大所帯に。

小さな人間娘にも
はちゃめちゃで自分勝手な保護猫たちにも
とにかく誰にでも優しく接するトット

 

猫たちにご飯を取られそうなときだけ
牙を出して本気で怒ってたね

 

美味しいものをなにひとつ知らなくて
涼しい夏も
暖かい冬も
毎日散歩に行ける喜びも

 

海も
川も
土手も
Driveも

 

公園も
池も
木も花も

 

病院の匂いも
注射もね（笑）

何も知らなかったトットが、初めて知ったたくさんのこと。

 

トットとの、愛しい日々でした。

 

トット、ありがとう。

 

今度は耳が聞こえるうちに
今度は無邪気でかわいい子犬の時から

 

いやいや、どんな姿でもなんでもいい！！！

また会いたい！！！

できることならトットの生まれ変わりに
また会えることができるなら
なんでもしたい！！！

保護猫応援ファームを守ってくれてありがとう。

私と一緒に生きてくれてありがとう。

出会ってくれて、ありがとう。

 

トット、大好きでした。