17時に2回の着信音

蒲郡市に住んでいるその人は、5年前に相談の電話があってからの付き合いです。

70歳を少し超えていて、一人暮らし。
５年前は、自宅に15匹の猫を飼っていました。
その他に、外にフードを与えている猫が35匹。

既にガンが身体の数カ所に転移していて、脳梗塞と心臓病もありました。

外にいる猫が不憫で見ていられず、フードだけは毎日欠かさず与えに行っていましたが、重い病気を抱えて年金だけの暮らしではとても手術はできませんでした。

それでも家の中に入れた猫を全て手術したのが精一杯だったと。

ハーツ は片道1時間以上の距離を通い、すべての外猫の手術を行い、重い病気を持っていた猫はシェルターに入れました。
近所でフードを与えてくれる人をお願いして、女性はフードを届けています。

半年前、様子を見に行くと、その人は病気の身体で無理をして、近くに4時間のパートに出ていました。

猫たちのフード代のためです。

「どれだけ生きられるかわからない。もし突然死んだら、家の中にいる猫も死んでしまう。だからお願いがあります」と切り出したの話は「毎日夕方5時に2回電話を鳴らします。それが私が生きている証拠。それが鳴らなかったら家に来て欲しい」と。

私も以前からその時の事は考えていました。
豊橋からでは1時間以上かかってしまうので、地元の蒲郡市で誰か頼める人はいないのかと探したこともあったのですが、頼める人は見つかりませんでした。

そしてその日、家の鍵を渡されました。
「私の命よりも、12匹の猫をお願いします」と。

昨夜も2回、いつもの着信音がありました。