
寄付総額
目標金額 5,000,000円
- 寄付者
- 198人
- 募集終了日
- 2023年10月30日
国内避難民の暮らし(前編)ー故郷の村にはもう誰も住んでいないー
こんにちは、伊藤解子です。
紛争が激化して8年。
現在イエメン国内には戦禍を逃れるなどして避難した国内避難民(Internally Displaced Persons: IDPs)(*注)が460万人います。(Executive Unit for IDP Camp Management, 2023)
私たちJVCは、2022年、2023年にイエメン南部と西岸にある4箇所の国内避難民居住サイト、ジブチのイエメン難民キャンプを訪問し、直接、避難民・難民の方々の声を聞いてきました。
今日と明日の新着記事では、その際に私たちへ託された現地の人々の声をご紹介したいと思います。
タイズ県モカ市近郊のIDP居住サイト
この場所には2017年にIDPsが集まり始め、2018年に正式な居住サイトとなりました。タイズ、ホデイダ出身の方が多いサイトです。
モカ市内から車で約30分。周りに特に何もない原っぱの中にサイトがありました。
故郷の村には、もう誰も住んでいません。
ワルダ・アブドゥ・アリーさん(25-30歳)(写真左)
(長期化する避難生活の間に木の枝で柵をつくって強風を凌いでいる)
"私はタイズ県のスダードという村出身です。
このサイトには5年前に来ました。夫、子どもは男の子が3人(10歳、7歳、2歳)の5人で住んでいます。親戚が先に避難していたので頼ってきました。故郷の村では、ミサイルが飛び、アンサール・アッラー(フーシー派)に地雷を埋められました。村人の中には被害にあい手を失った人もいます。村は現在暫定政府軍が統治していますが、もう誰も住んでいません。
村では夫婦で玉ねぎ、さとうきび、スイカなど栽培する農業を営んでいました。現在は仕事はありません。夫が木を切って売り、現金を稼いでいます。1袋集めて月に4,000-5,000イエメンリアル(400円から500円)の収入になります。また、家がサイト内の給水タンクに近いので、タンクから距離が遠い家の人たちの水運びの手伝いをして稼いでいます。
現金収入では足りないので、援助団体の食糧配給を受けています。毎月、油4リットル、小麦粉50kgか小麦粉25kgと米10kg、レンズ豆5kgをもらっていました。 食事は主にパンや米にソースをかけて食べています。また、近所の人がくれた卵を孵化させて鶏を飼っています。時には卵も食べます。
庭にある太陽光パネルはNGOからの支援です。携帯電話を充電します。このサイトは街からとても離れているので、移動のためのバイクを借りるだけでも5,000イエメンリアル(約500円)かかります。病人を搬送するときなど緊急の時だけ借りています。"
(配布された太陽光パネル)
"上の子どもたちは、約1km離れた小学校で勉強しています。私は 勉強したことはありませんが、昔は誰も勉強していませんでした。今の子どもには教育を受けてほしいと思っています。 学費は無償です。制服も不要で教科書は学校から配布されました。鞄は夫が買いました。"
聞き取りの途中で、ちょうど長男のアブドゥ君が学校から帰ってきました。
アブドゥ君(10歳)
"アラビア語が好きです。将来は先生になりたいです。学校から帰ってくると宿題をして、買い物や掃除といった家の手伝いをしています。 学校では国連食糧計画(WFP)から給食として栄養ビスケットが配られます。その場では食べずに、家に持って帰って弟たちに分けてあげています。"
(アブドゥ君(右))
(WFPの支援で学校で配布されている栄養ビスケット)
学校には一度も通ったことはありません
ファーティマさん(13歳)
インタビューしたワルダさんの家でちょうど長男のアブドゥ君が学校から帰ってきた時間。ワルダさんご一家の家の近くにある給水タンクのそばに女の子が二人いました。気になって声をかけてみました。
(ロバを連れて給水施設から水汲みをしていた女の子 ピンクのスカーフがファーティマさん)
"タイズ県のリンマという村出身です。3年くらい前にこのサイトに家族と来ました。 兄弟が3人、姉妹が7人います。お父さんの仕事は、避難する前は玉ねぎを栽培する農家でした。今は木を切って売ったり、プラスチックのごみを集めて売ったりして生活しています。
学校には一度も通ったことはありません。きょうだいで学校に行ったことがあるのは、お兄さん1人だけです。彼は高校まで卒業しました。私は毎日、朝8時からお昼過ぎくらいまでサイト内の給水タンクに水汲みにきます。毎日、三家族分の水汲みをします。"
長引く避難生活の実情。家族の生計手段や子どもの教育、生活の先行きの不安。人々の生活に深刻な影響が及んでいました。
ここまで、タイズ県モカ市近郊のIDP居住サイトのIDPの人々の暮らしについて、ご紹介しました。
明日はホデイダ県での聞き取りをご紹介します。
*注 難民・国内避難民とは
暴力、迫害、戦争、自然災害、人災のために逃亡、住居や住んでいるところを離れることを余儀なくされた人々です。
「難民」とは国境を越えて他国に逃れなければならなかった人々のことをいいます。「国内避難民」とは国境を越えていないことから、自国の市民などと同等にすべての権利と保障を受ける権利を有しており、国際条約で難民として保護されない人々のことです。国家が強制移住を防止し、国内避難民を保護する第一の責任を持ちます。しかし、難民と国内避難民の苦境は同質であることが多いので、共通の支援対策を執ることが最も現実的であることも多いのです。
出典:UNHCR Internally Displaced People
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