児童養護施設 鹿深の家|子どもたちの笑顔あふれる新施設を実現したい
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児童養護施設 鹿深の家|子どもたちの笑顔あふれる新施設を実現したい 2枚目
児童養護施設 鹿深の家|子どもたちの笑顔あふれる新施設を実現したい 3枚目
児童養護施設 鹿深の家|子どもたちの笑顔あふれる新施設を実現したい 4枚目
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児童養護施設 鹿深の家|子どもたちの笑顔あふれる新施設を実現したい 4枚目

寄付総額

10,278,000

目標金額 5,500,000円

寄付者
266人
募集終了日
2023年12月22日

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2025年06月02日 07:00

【週刊鹿深の家Vol.170】宿題を教えるのは本当に難しい

先週(5/26)の記事で、【最終回】とタイトルをつけて一定の区切りを示したところですが・・・

皆様方と繋がるツールがあり、かつ、児童養護施設の暮らしの一端を広く世の中に発信することの意義を感じていることから

これまでと趣向をガラッと変え、割と自由に施設の様子(過去の話も含めて)書いてみようかと思います。

 

 

少し前のこと。

京都文教大学のゼミにお邪魔し、社会的養護を学ぶ2回生と3回生に対して講義を行う機会を頂きました。

施設の様子を話す中で、「今までで一番困った事例について教えていただけませんか?」という質問がありました。

この質問にどう答えようかということが一番困ったわけですが、施設での様々な思い出の中で今でも鮮明に覚えていることを学生に話しました。

 

 

 

 

image.png

 

まだ私が20代だったころ。キャリアでいうと、3年未満程度の時期の話です。

 

学校から帰ってきた子どもたちの宿題を順番に確認していたとき、小学校2年生の男の子が「直角三角形が見つからへん」と、泣きながら私のところにやってきました。

 

 

曰く、「おなじ形の直角三角形が無いねん」「算数の宿題ができひんねん」「僕だけ遊びに行けへんやん」とのこと。

 

 

プリントを見ると、図のような問題でした(当時の記憶を再現したイメージ図)。

彼以外の同級生は早々に宿題を終え、服を着替え外に遊びに行っていました。

 

小学校2年生になると、算数の授業で物の形を習います。

宿題のプリントは、私から見ても、同級生から見ても、そんなに難しい内容であるとは思えませんでした。

でも、彼には分らなかったのです。

彼は当時、広汎性発達障害の傾向がありそうと児童相談所から情報提供を受けていました。

特定の物事に対して強いこだわりがあったり、あいまいな指示や表現が理解できにくかったり、いわゆる文脈を読み取るということができなかったりといった特徴がありました。

 

 

私はというと、子どもの発達に関して『名前は聞いたことがあるけど、それって結局どんな状態なんだろう。日常生活にどのような支障を来すのだろう』といった感じで、今思い返すと恥ずかしいぐらい無知でした。また、正答をすぐに教えてしまうのはちょっと違うかなという気もしていたので、気長に彼の理解を待つ作戦で宿題に付き合っていました。また彼自身が、正答を私から聞くということを良しとしませんでした。

 

 

気づけば30分が経過し、1時間が経過し・・・それでも宿題は終わりませんでした。

 

 

早く宿題を終えて遊びに行きたい・でも答えを教えてもらいたくないという彼の思いと、いつまでも付き合ってあげられないという私の焦りがぶつかり合い、良くない雰囲気のまま時間が経過していきました。

それでもお互い何とか気持ちを立て直しながら、さらに時間が経過し・・・気づけば夕食の時間でした。

3時間以上三角形探しを行っていたのです。

 

 

夕食を食べてから宿題をしてみないか

 

 

彼にそう伝えて場をいったん変えてみようと試みましたが、遊びに行きたいモードから宿題を終えなければならないモードにいつの間にか変わっていたため、私の提案はあえなく却下されました。

仕方がないので、彼の理解の助けになるようにと思いながら、あれこれ思いつく方法を試していたところ、ふと「そうや!プリントをコピーして三角形を切り抜き、同じ形を探してみたらどうやろ」と思いつきました。

はさみを使って三角形を切り抜き、「これと同じ形を探してみたら見つかるんと違う?」と渡しました。

これでやっと宿題が終わると私は思っていたのですが、彼が発した一言は衝撃的でした。

 

 

おなじ形の三角形が見つからへん!

 

 

こう言って、また泣き始めたのです。

どこかどう違うのか、「おなじ」という言葉を彼がどう捉えていたのか、私の頭の中は謎だらけだったのですが

「春ちゃんが切った三角形と、プリントの三角形のココの形が合ってない。ちょっとズレている!」という言葉にようやく合点がいきました。

 

 

彼は、直角三角形の形(定義のこと)は理解していたのですが、上下左右が反転している図は彼にとって「おなじ」図ではなかったのです。

そして、私が切り取った三角形は、はさみを使ったため、線が歪み(まっすぐに切れていなかった)、彼が定義する「おなじ」とは異なる図形になっていたのです。

 

 

ここまでのやり取りに合計6時間要していました。

 

 

あれからずいぶん時間が経過しましたが、宿題を教えるって本当に難しいことやなと今でも思っています。

宿題を提出できない状態(わからない・忘れる・さぼる等)というのは、子どもにとって結構傷付く体験になります。勉強が苦手であってもこれは変わらないと思います。

私たち大人は体験的にこれを知っているため、「宿題は最後までやりなさい」「忘れ物はダメよ」と子どもたちに口酸っぱく言うのではないでしょうか。

ときどきホームのヘルプに入ることがあるのですが、「宿題がまだ残っています」という引継ぎを受けると、結構プレッシャーを感じます。

 

 

で、結局この話はどうなったのか。

この日の宿題の答えは、結局私が教えました。「正答は聞きたくない」とこだわり続けた彼の頑なな思いは、グーグー鳴る空腹の音には勝てなかったようです。

 

 

遅い夕食をとり、二人で風呂に入り、就寝時の見守りをしているときに、「同じ三角形見つからへんかったな~」と私が彼に向ってつぶやくと、「宿題できたからええねん」と返ってきました。

 

 

 

 

                          施設長 春田真樹

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基本セット|3,000円コース

●お礼のメッセージ
●寄付金領収証明書
●鹿深の家だより(PDF)2024年6月、9月、2025年1月(予定)
●児童福祉について学ぶの会への参加ご招待(オンライン)※

===
※1. 寄付金領収証明書は2024年1月末までに送付します。領収書の日付はREADYFORから鹿深の家に入金がある2023年12月の日付となりますので、2023年分として確定申告をお願いいたします。
※2. 2024年1月頃から開始予定で、好きな会にご参加いただけます。(毎月1回、異なる内容で複数回実施予定。詳細は実施2週間前にお知らせします)

申込数
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