支援総額
目標金額 100,000,000円
- 支援者
- 56,584人
- 募集終了日
- 2023年11月5日
かはくの偏愛研究室|file.07 井手竜也先生が語る、小さなハチへの愛
毎週木曜19:00〜19:30に放送中の、クラウドファンディング特別企画「かはくの偏愛研究室」。
かはくに所属するさまざまな分野の研究者が登場し、かはくに収容されている約500万点のコレクションの中から、自身の「推しコレクション」をご紹介。資料への愛を語るYouTube番組です。
本記事では、配信の内容を一部抜粋してご紹介します。
※配信内容は、YouTubeからアーカイブ視聴も可能です。
https://www.youtube.com/watch?v=sqELUKpCyRs&list=PL38SvBUmO1PemC1tsNtni7pCywLwAMoyl
編集:READYFOR かはく担当キュレーターチーム
\毎週木曜19:00〜19:30 生放送! /

第7回目のゲスト研究員は、動物研究部の井手竜也(いでたつや)先生です。
かはくの偏愛研究室|file.07:小さなハチが好きすぎる先生
ゲスト研究員:井手竜也(国立科学博物館 動物研究部 研究員)
MC:渡邉真理奈(上野地区人事・労務担当)
profile
井手竜也(いでたつや)
専門は昆虫学。特にハチ類の分類や生態に関する研究に取り組んでいる。
カメラには映らない、小さなハチ「マイクロハイメノプテラ」
ーー今回はどんなコレクションをご紹介いただけるのでしょうか?
井手:今回私が選んだのは「マイクロハイメノプテラ」です。マイクロが小さい、マイクロメートルとかのマイクロで、ハイメノプテラはハチ目(はちもく)という意味の言葉になりますので、小さいハチということですね。
皆さんよくご存知のハチというとミツバチとかマルハナバチ、スズメバチなどでしょうか。かはくの昆虫標本庫には、東南アジアだけに生息するオオミツバチという世界最大のミツバチやコミツバチというちっちゃいミツバチもありますよ。
ほかにも世界最大のスズメバチとして知られるオオスズメバチ。メスの方がちょっと大きくて、触角はオスの方が長いという特徴があります。スズメバチもいろんな種類がいて、クロスズメバチとかチャイロスズメバチ。チャイロスズメバチは他のスズメバチの巣に入って乗っ取るみたいな、すごいずる賢いハチですね(笑)。あとタランチュラホークという毒グモのタランチュラを捕まえて幼虫の餌にするカリバチと呼ばれる仲間とか……まだまだ語りつくせないですね~(笑)。

ーー先生のハチへの愛が伝わってきます(笑)。
井手:色々なハチの標本がありますけど、今日ご紹介したいのは「マイクロハイメノプテラ」です(笑)。カメラに映らないくらいの大きさで、とても小さい。昆虫の中で1番小さいもので0.139mmという記録があるんですけど、その記録はマイクロハイメノプテラの仲間なんです。

小さくても、みんな違う
ーー「小さなハチ」の魅力を教えてください。
井手:マイクロハイメノプテラというのは、厳密にはコバチ類、タマバチ類、クロバチ類を指す言葉なんですけど、ここでは小さいハチ全て含めます。ハチは約15万種くらい名前がついていまして、日本ではおよそ6600種以上いるんですけど、その中のどれくらいかな……半分くらいはその小さなハチになります。
中でも特徴的なハチをご紹介したいのですが、まずは「アシブトコバチ」です。名前の通りたくましい足をしております。その太くなっている足の内側の部分がギザギザしていて、これでチョウやガのサナギに取りつくという習性があります。
続いて「オナガコバチ」ですが、綺麗な長い尻尾のような針を持っているのが特徴です。写真などでは分からないですけど、見る角度によって輝きが変わってキラキラの綺麗なハチです。
あとは変わったもので「イチジクコバチ」と呼ばれるハチの仲間がいます。イヌビワという植物の実の中で暮らしているハチです。オスは羽が無くて、ハチらしからぬ恰好をしています。まるでアリのような……変わった形のハチですね。

ーー形や色、様々な違いがあるんですね。
井手:そうです。小さくても、色んな違いがあって面白いということも推しポイントです。そして、もっと推したいところはその生態なんです。先ほど3つのハチをご紹介しましたけど、実は全部「寄生バチ」と呼ばれている仲間で、他の生き物に卵を産みつけて、その中を食べて成虫になって出てくる、というタイプのハチです。寄生された方は命が尽きてしまうので、専門的には捕食寄生と呼んでいます。その仲間の中でも、一番紹介したいのは、私の専門である「タマバチ」です。
ーータマバチはどんなハチなんでしょうか?
井手:まず見た目がですね、丸くて可愛いです(笑)。タマバチは植物に寄生する寄生バチなのですが、植物の葉っぱや花に卵を産み付けて虫こぶというコブを作ります。タマバチは世界で1400種くらい、日本では80種くらい知られていますが、それぞれいろんな虫こぶを作るんです。作らないのも中にはいますが、本当にいろんな種類があります。
ーー先生はタマバチのどんな研究をしているんでしょうか?
井手:例えば1年の中で春はオレンジと黒のツートーンカラーのオスとメスのハチが出てくるのに、秋から冬にかけて出てくるのはメスだけでそれを交互に繰り返す「世代交番(せだいこうばん)」という現象の内容を明らかにする、といった研究をしています。
具体的には、別々の名前をつけられた見た目の違うハチが、実は同じハチだということを明らかにしました。たくさんの標本を見て比較して、同じハチだけど変異があるということを突き止めました。かはくの昆虫標本庫にあるたくさんのハチの標本を使って研究したので、思い入れがあります。
コレクションとは……、
ーー最後に、先生にとって「コレクションとは何か」、教えていただけますか。
井手:「コレクションとは研究日誌である」です。標本というのは基本的にラベルがついていて、「いつ、どこで、誰が」採ったのかということが分かります。コレクションを集めるのはアマチュアの方ももちろんいますが、研究者も自分で標本を採ってくるんですね。ですので、どの研究者がいつどこで採ったものなのかが分かると、「その時どんな研究をしていたのか」も残るわけです。そういう意味で「研究日誌」と書きました。

標本には、証拠標本としての意味もあります。分かりやすいのはタイプ標本(※)と呼ばれるもので、私が新種と記載したタマバチの標本もその一例です。新種であるということを論文で発表して、その証拠としてタイプ標本が残されているんです。
論文に載せたタマバチの場合ですと、(形が異なるハチを同じ種であることを証明するために)飼育実験をやったりDNAを比較したりするんですけど、確かめた後に本当にそれが確かなのかを後の研究者が確認したくなった時に備えて、この研究に使った標本はこれだよとちゃんと残しておく必要があります。ですので標本を保管しておくことは、とても意味があることだと思います。
※タイプ標本:生物の新種を発表するときに指定する、基準となる標本。
= = = = =
本記事でご紹介したのは、配信のごく一部。
全貌はぜひアーカイブ動画で。
▼file.07:小さなハチが好きすぎる先生【井手竜也先生(動物研究部)】
引き続き活動報告では「かはくの偏愛研究室」シリーズのレポートをはじめ、リターン情報や本プロジェクトの進捗状況などをご報告してまいります。今後とも応援のほど、よろしくお願い申し上げます。
リターン
15,000円+システム利用料

【一押し!】【寄付控除あり】 かはくオリジナル図鑑
※本コースも、「寄付控除あり」に変更いたしました(10/20変更)
●御礼メール
●かはくオリジナル図鑑
当館の全研究者が、自身の「最推し」標本を選び、解説したものを1冊にまとめた本クラウドファンディングのオリジナル「図鑑」。
●寄付金領収証
--------
※図鑑は、130ページ前後になる予定です。画像は、そのうちの一部(恐竜の専門家・真鍋副館長の担当ページ)のイメージです。最終的なデザイン・内容は変更となる可能性もございます。
※寄付金領収証のみ、2023年12月中にお送り予定です。
>>詳細は「活動報告」欄にも紹介記事がございます。
- 申込数
- 39,306
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月
5,000円+システム利用料

【オリジナルグッズ】【寄付控除あり】 トートバッグ
※本コースも、「寄付控除あり」に変更いたしました(10/20変更)
●御礼メール
●トートバッグ
研究者が日々の研究で使用した「研究ノート」の一部をデザインとした、本クラウドファンディングのオリジナル「トートバック(全5種類)」。
●寄付金領収証
--------
<デザイン>
以下の5種から1つ【ランダムで】お届けいたします。
■モグラの歯の変異原図
■貝のスケッチ
■微細藻スケッチ
■ボーリングコアのスケッチ
■太陽黒点スケッチ
※画像は、5種のうち3種のイメージです。デザインや形状などは変更となる可能性もあります。
※寄付金領収証のみ、2023年12月中にお送り予定です。
>>詳細は「活動報告」欄にも紹介記事がございます。
- 申込数
- 15,665
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月
15,000円+システム利用料

【一押し!】【寄付控除あり】 かはくオリジナル図鑑
※本コースも、「寄付控除あり」に変更いたしました(10/20変更)
●御礼メール
●かはくオリジナル図鑑
当館の全研究者が、自身の「最推し」標本を選び、解説したものを1冊にまとめた本クラウドファンディングのオリジナル「図鑑」。
●寄付金領収証
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※図鑑は、130ページ前後になる予定です。画像は、そのうちの一部(恐竜の専門家・真鍋副館長の担当ページ)のイメージです。最終的なデザイン・内容は変更となる可能性もございます。
※寄付金領収証のみ、2023年12月中にお送り予定です。
>>詳細は「活動報告」欄にも紹介記事がございます。
- 申込数
- 39,306
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月
5,000円+システム利用料

【オリジナルグッズ】【寄付控除あり】 トートバッグ
※本コースも、「寄付控除あり」に変更いたしました(10/20変更)
●御礼メール
●トートバッグ
研究者が日々の研究で使用した「研究ノート」の一部をデザインとした、本クラウドファンディングのオリジナル「トートバック(全5種類)」。
●寄付金領収証
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<デザイン>
以下の5種から1つ【ランダムで】お届けいたします。
■モグラの歯の変異原図
■貝のスケッチ
■微細藻スケッチ
■ボーリングコアのスケッチ
■太陽黒点スケッチ
※画像は、5種のうち3種のイメージです。デザインや形状などは変更となる可能性もあります。
※寄付金領収証のみ、2023年12月中にお送り予定です。
>>詳細は「活動報告」欄にも紹介記事がございます。
- 申込数
- 15,665
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月

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