【ガラ紡のはなし】＃２ガラ紡の今昔

ご年配の方にガラ紡の事をご説明すると、懐かしそうに『昔はみーんなこれだったもんねぇ』と言われます。

 

でも、

『ガラ紡』という言葉を聞いて、あぁ。と言われるのは75歳以上の方。その世代を境に、ぱったりと世間一般の方たちの記憶から『ガラ紡』という言葉は見つからなくなります。若い世代なんて、もちろん論外。

つまり、ガラ紡は戦後の大量消費、大量生産の中で、すっかり必要の無いものになっていた。ということ。

 

英国式の紡績法が入ってきて、均一な細い糸がしかも高速で引ける。
となれば、当然のことだと思います。その時代に居たなら、私もきっと、迷わずそちらを選んだと思います。←裏切り者。

 

ガラ紡は　反毛（はんもう）といって、ボロ布などをほぐして再生させた繊維で糸を紡ぐ事が出来ました。（今でいうリサイクルですね）戦後の物要りな時期に一時期だけ生産が復活したものの、その復活劇は長続きはせず・・・

 

すっかり時代に取り残された、古ぼけた機械になってしまったのです。

 

 

あんなに優しい、素敵な糸を紡いでくれるのに。。。

極力無駄を出さない、優秀な機械なのに。。。

 

 

戦前は三河地方を中心に一大産地を形成し、活躍していたガラ紡も、国内で生産を続けている工場は、現在うちを入れて2～3件しかないとのこと。

博物館でしかお目にかかれなくなるのも時間の問題です。

 

だからこそ、私達は糸を紡ぎ続けるのです。

 

今日もまたガラガラと。

 

 

↑ガラ紡の機械の一番端っこを横から見たところ。
この歯車で全ての動きが制御されています。

なんと木とブリキ製なんですよ～。
糸だけでなく、機械もとっても味があってかわいいんです。