模擬原爆

＜歴史に埋もれた「模擬原爆」＞

「模擬原爆を知っていますか？」―私はいろんな人にこう問うてみましたが、大半の返答は「聞いたことがない」でした。

1945年、原爆は米軍の爆撃機B29に乗せて運ばれましたが、目的地に正確に投下すると同時に旋回して飛び去って行くのは極めて困難でした。そのため米軍は広島・長崎に投下する以前に同型、同重量の5トン爆弾を製造し、試験的に他の地域で投下訓練を行いました。その数は全国各地で49発、死傷者は1600人以上、死者は400人に上りました。これほどの惨事が歴史の陰に埋められてきた事実に唖然とします。

大阪市では7月26日に東住吉区で7人が犠牲になりました。模擬原爆体験者の話によれば「田辺小学校の講堂には遺体とけが人がずらっと並び、塵と血がこびりついていた」そうです。

住民たちはずっと「爆弾による被害」と思っていたのですが、「模擬原爆による被害」と知ったのは50年後のことでした。

爆心地近くにある恩楽寺の前には慰霊碑があります。カメラを向けたとき、「いったいこの国は原爆にまつわる真実まで隠ぺいするのか」と怒りが込み上がりました。

★＜真宗大谷派　紫雲山　温楽寺＞onrakuji.com/模擬原爆資料館

※Ready Forのクラウドファンディングにご支援くださった方には深く感謝いたします。ただ、３月５日の終了まで残り13日となった現在、目標額の半分以下にとどまっています。終了後でも直接的なご支援は可能ですが、できればクラファンをご利用いただければ幸いです。https://readyfor.jp/projects/kochanyu