「帰らない」97％－デカセギからテイジュウへ

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こんにちは。プロジェクト実行者の田中です。

先日、ある方と外国にルーツを持つ子どもについてお話しをしていたときの事。

 

その話し相手の方が「日本語をがんばって教えたとしても、結局、帰国しちゃうんでしょ？」とおっしゃいました。「だから、外国人学校に行かせた方がいいんじゃない？」と。

 

私たちがこれまでに支援してきた400名の子ども達のご家族に、入所時の面談で尋ねたアンケートでは、実に97％のご家庭が「今後日本以外の国で暮らすつもりはない」と答えています。

 

事業開始から6年が経過していますが、その間に実際に「帰国」したのはほんの一握り。

 

この傾向は、全国各地の支援者からも指摘されています。

時代はすでに「デカセギ」から「テイジュウ」の時代へと変化しており、日本国内に暮らす外国籍の方々の滞在資格内訳を見ても、特別永住・定住者・永住者や配偶者等、長期滞在が可能な在留資格を有する方々が6割を占めていることがわかります。

 

 

 

日本で教育を受け、日本で育つ子ども達

 

つまり、多数の外国にルーツを持つ子ども達が、日本国内で教育を受け、日本で育ち、日本社会に巣立っていくことになる。そんな実態の一端を垣間見ると、あらためて彼らの教育をきちんと保障し支えることが、近い未来の日本社会にとっても重要であることがわかります。

 

今では、こうした子ども達が若者となり、社会で活躍したり新たな家庭を築き子育てを始める姿も見られるようになってきました。

 

国籍やルーツの異なる多様な人々が「日本社会の一員であること」が、当たり前である時代が、もうすでにやってきつつありますね。（今でも、そうなのですが）

 

2世、3世と世代を重ねつつある彼らが、安心して暮らせる国と地域づくりが今後、一層重要になってくるなと思います。微力ながら、これからも多様性が豊かさとなる社会の実現に向けて、力を尽くしていくつもりです。