イベントでの出来事（９）

「空と海とボクのココロ」前夜のこと

私は「一般の人への依存症啓発」はどうすればいいのかと考えていました。また、相談しやすい相談窓口も欲しいと思っていました。啓発というと、講師を呼んで講演会とか、パンフレット作成して配る等でした。でも、講演会なんて関係者しか来ない。パンフレットも興味のある人しか手に取らない。それでは依存症の重要な知識が「一般の人」へ広がっていくことはありません。私は「依存症なんて自分には関係ない」と思っているような一般の人に、依存症のことを知らせたいと思っていました。また、イオンのフードコートに行くたびに、このお店のどこか一カ所でも、相談窓口だったらいいのにと思っていました。病気のことを聞くコーナー、法律のことを聞くコーナー、いろんなブースがあるのはどうでしょう？順番待ちもできるといいな。順番が来たら例のピピピッて鳴る端末で呼んでくれるので、それまでドーナツ食べたりアイスコーヒーとか飲みながらのんびり待てる場所。

いいですよね！ 平日の9時～5時じゃなくて、土日も夜も開いてる相談窓口。広い駐車場のある相談窓口が欲しいと思っていました。

　2013年に「Kazokuちゃん」というマンガのパンフレットを作ったことをきっかけに、南四国断酒会でイラストや絵を描かれるYさんと仲良くなりました。Yさんは展示できる作品をたくさんお持ちでした。このYさんの作品の展示会を開いて、そこで啓発や相談会をするのはどうだろう？ギャラリーのある喫茶店の値段などを調べ始めました。しかし、どこも落ち着いた場所にあり、「たくさんの人がどんどん来場する」という感じではなく、イメージが違いました。うーん、どうしよう。やっぱりイオン？

　ちょうどその頃、高知で初めてのアディクションフォーラムを開催することになり、県内のいろんなグループから企画委員が集められました。私もＡＫＫこうちから委員として出席しました。もちろん張り切っていろいろ提案しましたよ！ 「イオンでやりましょう！」 「講演なんてやめましょう。講演会するなら15分くらいにしましょう」「相談はフードコートでやりましょう」 画期的な案ですね、と精神保健福祉センターのスタッフの方もおもしろがってくれました。なのに・・・フタを開けたら、普通の講演会になっていました。ショボン・・・。集めた企画委員からは意見を聞いただけで結局、センターの方が全部決められたようでした。それが2014年、第一回アディクションフォーラム高知です。私はがっかりしました。

　人に頼っても無理。自分たちでやろう。イオンのレンタルスペースの金額を調べ始めました。さすがに高いのですが、２階のイオンホールなら手が届きそうです。ＡＫＫこうちの仲間と計画をたてて、高知県の自殺対策補助金を申請し、無事に補助がおりることになりました。そして2015年、ＡＫＫこうち主催で、第一回「空と海とボクのココロ」を開催しました。タイトルは私がつけました。１週間くらい開催したかったのですが、木金土日の４日間です。最初のイメージが「展覧会」だったのと、夜じゃないと相談に来られない人がいるかも、と私が主張したので（以前にも書いた通り）20時まで開けていました。それ以来、アディクションフォーラム高知の第〇回から１引いたものが、「空と海とボクのココロ」の回数です。 別にそれで精神保健福祉センターと仲が悪くなったわけではなく、アディクションフォーラムもボクのココロも、お互いに協力して開催しています。