おもいで株式会社が「全員兼業」というスタイルをとっている理由

代表の北村です。私自身が海外に2週間ほど出張していたため、久しぶりの新着情報となってしまいました。

 

プロジェクトページでもご紹介している通り、おもいで株式会社はメンバー全員が「兼業」というスタイルをとっています。もっと正確に言うと、現時点では全員が給与を受け取らずに土日にボランティアで働くことにより、最小限のコストで会社を運営しています。今日はなぜ我々がこのような形態をとっているのかをお話しします。少々、難しい内容になってしまうかもしれませんが、できるだけ易しく書いてみたいと思います。

 

起業直後の運転資金は銀行からの借り入れやエンジェル投資家からの出資によってまかなうのが一般的です。起業直後に沢山の資金を獲得できれば、沢山の人を雇って、短期的にビジネスを大きく成長させられるので、多くの起業家は早い時期に多額の資金調達を行います。しかし、おもいで株式会社は現時点で一切外部からの資金調達を行っていません。資金調達が上手くいかないわけではなく、意図的にそうしています。

 

わたしたちのサービスは皆さんからお預かりしたメッセージを長期間、場合によっては何十年もお預かりするというものです。このサービスを始めようと考えた際に私が一番気がかりだったのは、わたしたちの事業の失敗によって、わたしたちを信じてメッセージを預けてくださった利用者の皆さんのメッセージがお届けできなくなってしまうことでした。

 

これを防ぐための一番簡単な方法は、最後のメッセージをお届けする日まで数十年分のデータセンターの使用料をあらかじめ取り分けておくことです。しかし、多額のお金を取り置くというのは、会社経営の観点から見るととても「効率が悪い」やり方です。そのお金をマーケティングや人件費に使ったほうが会社を早く成長させられるからです。そして、投資家の方や銀行はこうした「効率が悪い」経営方針を喜びません。投資家の方や銀行がベンチャーに投資する動機はリターン（儲け）を得ることですから、できるだけ早く成功することを期待されるのは当然のことです。

 

しかし、わたしたちは例え「効率が悪い」やり方だったとしても、みなさんからお預かりしたメッセージを確実にお届けできるような方法で経営をしたいと考えています。短期的な成長を重視しすぎることなく、堅実で安定した経営をしたいと考えているのです。もちろん全く資金調達をしないというわけではありません。しかるべき時期になれば、成長のための資金調達も必要です。しかし、まだ会社の価値が低い初期の段階で外部から資金調達をすることで、自分たちが考える経営方針が取れなくなってしまうことは避けたいと考えています。

 

このようなわけで私たちは、全員がボランティアで働き、外部からの資金調達がなくとも継続的に会社を運営していける体制をとっているのです。

 

とはいえ、いつまでも全員が「兼業」というわけには当然いきません。スピード感をもってサービスを改善していくために、2018年の終わりまでには、少なくとも1名の専任の開発者と、1名のフルタイムの経営メンバーを雇用したいと考えています。そのためにも、まずは皆さんからのご支援を得てOMOIDEのデザインを完成させサービスを開始する必要があります。皆さんからのご支援は、わたしたちが理想とするサービスを実現する上でなくてはならない第一歩なのです。

 

最後に。わたしたちがこのプロジェクトを始めた時の合言葉の一つに、「ベンチャーではなく老舗企業を創ろう」というものがあります。わたしたちが目指すのは金銭的な成功ではなく、それを使う人が少しだけ優しい気持ちになれるような、そして世界が少しだけ良い方向に変わるような、そんなサービスを生み出すことです。

 

もし、私たちの夢に共感していただけたら、このプロジェクトをご支援いただけると本当に嬉しいです。どうか私たちの夢を支援してください。