【巡る。】

昨日一人の女性がやってきた。

その女性には弟がいて、先日亡くなったと伝えに来た。

その弟さんに以前義足を作って渡したのだが、残念なことに癌を患い亡くなってしまい、もう義足が必要ではなくなったので、それをお返ししますという内容だった。

義足を作って渡したのが５月。まだほとんど時間が経っておらず、材料は十分リサイクルできそうなので、それを引き取らせてもらった。

こうして命はぐるぐる回っていき、義足もぐるぐる回っていく。

まだこれからだという時に亡くなってしまった彼。

汗をダラダラ流しながら、歩く練習をしていたのに。

天国に逝った彼は果たして両足があるのだろうか。それとも天国でも義足をあちこちに探し回っているのだろうか。お疲れさまでした。またどこかで。