支援総額
目標金額 3,000,000円
- 支援者
- 286人
- 募集終了日
- 2024年10月23日
株式会社資料保存器材さま見学レポート
先日、【北條秀司スクラップブック】及び原稿など合せて約600点の資料の収納作業が完了したことをご報告いたしましたが、支援者の方々から、貴重な資料の保存環境が整ったことを大変喜ばしく思います、というメッセージや、スタッフへの労いのお電話を頂戴いたしました。
皆さまの温かいお言葉に、当館のスタッフ一同、大変喜んでおります!
今後とも、これらの貴重な資料を大切に保管し、活用してまいります。
さて、その貴重資料を収納したアーカイバル容器ですが、去る3月19日に、本プロジェクトのご支援で【北條秀司スクラップブック】のアーカイバル容器の制作をお願いした株式会社資料保存器材さまを、見学させて頂きましたのでご報告致します。
以前文京区本駒込の六義園近くにあった工房には、2017年と2019年の2度お邪魔して、作業を拝見させて頂きました。
株式会社資料保存器材見学報告
https://readyfor.jp/projects/ootanitoshokan6/announcements/69281
松竹京都映画スクラップの補修見学@資料保存器材工房ご報告
https://readyfor.jp/projects/ootanitoshokan6/announcements/113894
今回、2022年に現在の文京区本郷のビルに引っ越しをされてからは、初めて見学をさせて頂きました。年度末の超繁忙期に見学をお許しくださいました株式会社資料保存器材の社員の皆さまには、改めて深く心から感謝の言葉をお伝えしたいと思います。
工房内は汚れや土埃などを持ち込まないよう土足厳禁のため、外から来た人はシューズカバーを着けます。

入口から向かって左側が補修のスペース、右側がアーカイバル容器の制作スペースになっていました。以前拝見したビルでは、アーカイバル容器を制作する部屋と補修の部屋のフロアが違っていたのですが、2022年に、現在のビルに引っ越しをされて、ワンフロアに集中したことから、社員の方の連携がより良くなったそうです。
まず補修のスペースからご案内頂きました。
最初に今回補修をお願いしたスクラップブック18冊を見せて頂きました。補修を終え、すでにタトウ式保存箱に収納されていました。

スクラップの補修については報告書を頂いて公開しておりますので、こちらをご覧ください。
【北條秀司スクラップブック】保存修復処置報告(株式会社資料保存器材様より)
これは、当館のスクラップの補修にも使われた和紙です。ロールで購入した紙をよく使う幅にカットし、使いやすいように机にセットしておくそうです。

また、色のある資料を補修する場合は、補修した部分が目立たないように、似たような色に染色した和紙で補修をします。
こちらの北條秀司スクラップブックは、濃い紺色の装丁の背表紙の部分が剥離し、表紙が外れ掛けていたのですが、同じような色の和紙を貼って、補修をして頂きました。


補修によく使用する使い勝手の良い色は、染めておいて色別に同じような系統の色でも、違う厚みや色合いで数種ストックしてすぐ使用できるようにしてあります。


また、こちらは補修に使用するデンプン糊です。経年劣化しても接着した資料に影響を与えにくいという特徴があります。


接着する資料の紙の強さや接着する範囲など、使用する用途によって異なる濃度の糊を使用します。糊を溶くときは、フィルターを使ってろ過して不純物を除いた逆浸透膜水(RO水)を使用します。工房では、一般の水道水と並んで、フィルターを経由した逆浸透膜水が出てくる蛇口が設置されていました。
続いて、他の資料館所蔵の大型の洋雑誌の合本を解体して、元の単冊の状態にしたものや、電子化のために貴重な洋書を解体して、電子化後にまた綴じ直しをする作業を見せて頂きました。こちらでお話を伺った資料の所蔵館では、解体・電子化は同時に進め、高額な費用が掛かる貴重書の再製本については、毎年少しずつ予算に応じて行っているそうで、デジタル化や補修の計画や進め方として、とても勉強になりました。
また、大型本の補修では、表紙の表面に貼ってある化粧紙や見返しを一度剥がして、本体の背に貼る寒冷紗などの補強材を挟み込んで貼り直すことで、厚みのある表紙と本体の接合を補強する方法を拝見しました。また、洋書の製本では、支持体と呼ばれる芯材に糸を絡めながら綴じて開閉に耐える強度を持たせる方法を拝見しました。製本にも色々な手法があり、様式や構造の違い、大きさ、表紙の重さ、本体の重さなどを考慮して、製本の方法を考えるそうです。
こちらは、カビの影響により紙が劣化してしまった資料のため、裏打ちによる補強作業をしている資料です。紙が粉状になり浮いている部分の上から、和紙でサンドイッチ状態に挟み、浮いた部分を定着させ補強する作業を行っていました。印刷面の情報が透けて見えるように、一番極薄の和紙を使用します。
処置の際には揮発を早めるためにイソプロピルアルコールを混ぜたRO水を噴霧し、全体を濡らします。


水くらい薄くした糊を刷毛で伸ばして塗った後は、吸い取り紙で挟み、板と重石をのせて平滑に乾燥させます。


続いてこちらが、補修スペースの反対側にある保存容器製作の作業スペースです。

保存容器製作の作業スペースでは、CAD設計による加工や、用途に応じた多様な材料・工程が導入されており、資料の特性に応じた容器が丁寧に製作されていました。
ご案内頂いた時、壁際の縦型のプロッターは、梱包用の段ボール箱をカットしていました。
オーダーメイドの保存箱を納品するための梱包用段ボールも様々な形の物が必要となり、市販の物で適当なものが無かったり、オーダーすると数量によっては割高になったりするので、場合によって自作した方が希望に沿ったものを効率よく安価に作れるそうです。

フラット型のプロッターは、不織布や薄葉紙といった繊細な素材でも安定してカットできる機械で、用途に応じた高精度な加工が可能とのことでした。縦型タイプに比べて設置面積は大きくなりますが、扱う素材に応じて適切に設備を使い分けている様子がうかがえました。

プロッターのスペースを出た所では、大型のアーカイバル容器の組立が行われていました。
素材の折りや切れ目にそって、折筋を付けたり、接着面を合わせたりといった工程は、一見単純に見えても、正確さと丁寧さが求められる作業であることが伝わってきました。特に、大型の容器では少しのズレが蓋の開閉に影響するため、細部まで慎重に組み立てられていました。効率と精度を両立させる工夫が随所に見られ、保存容器の重要性をあらためて感じました。
このように、株式会社資料保存器材様では、資料の劣化状況、大きさ、形状、素材、量など、その資料に合わせて、様々な保存・収納方法をご提案頂く事が出来ます。
また、立てるのか平置きするのかなど収納場所の都合や、収納する資料を使う頻度や使い方、その場で使用するのか、運搬にも使用するのか、などその資料館の事情を考慮して、柔軟に対応して頂けます。常に現場で資料を扱う図書館や資料館のスタッフの資料を活用するという姿勢に寄り添って下さる株式会社資料保存器材様の理念を感じました。
まず、困った事はご相談下さい!とのお声を頂き、今回の見学を終えました。
2007年に実行した第6弾からお付き合いのある株式会社資料保存器材様ですが、今後もますます頼りにさせて頂きます!
リターン
3,000円+システム利用料

A|【税控除対象】お気持ち応援コース(3千円)
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2025年4月末に送信予定)
■寄付受領書・控除証明書(2025年1月末に発送予定)
- 申込数
- 80
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年4月
5,000円+システム利用料

B|北條秀司作品台本デザインオリジナル文庫本カバー
北條秀司作品『井伊大老』『浮舟』の台本の表紙をデザインに使用したオリジナル文庫本カバー(非売品) をお届けいたします。
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2025年4月末に送信予定)
■北條秀司作品台本デザインオリジナル文庫本カバー
-----
※ 本コースへのご支援は税控除の対象となりませんのでご注意ください
- 申込数
- 55
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年4月
3,000円+システム利用料

A|【税控除対象】お気持ち応援コース(3千円)
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2025年4月末に送信予定)
■寄付受領書・控除証明書(2025年1月末に発送予定)
- 申込数
- 80
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年4月
5,000円+システム利用料

B|北條秀司作品台本デザインオリジナル文庫本カバー
北條秀司作品『井伊大老』『浮舟』の台本の表紙をデザインに使用したオリジナル文庫本カバー(非売品) をお届けいたします。
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2025年4月末に送信予定)
■北條秀司作品台本デザインオリジナル文庫本カバー
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※ 本コースへのご支援は税控除の対象となりませんのでご注意ください
- 申込数
- 55
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年4月

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