芝居番付について（その１「新派番付」）

お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。

お蔭様で、支援者の方や協力者の方から、日々温かい応援コメントを頂戴して、勇気づけられております！

 

目標を達成するには、まだまだ遠くを目指さなくてはなりませんので、これからもスタッフは一丸となって頑張ります！皆様にも、引き続きご支援の輪を広げて頂けると大変助かります。どうぞ宜しくお願いします！

さて、今回皆様のご支援でデジタル化を進めたいと考えている「芝居番付」ですが、「番付」と一口に言っても様々な種類があります。また、興行や劇場の種類によっても、特徴があります。そこで、普段あまり目に触れることのない、この「芝居番付」を、当館の所蔵番付のなかから、少しずつご紹介していきたいと思います。

 

今回ご紹介するのは、新派の番付です。当館が所蔵する番付のなかには、歌舞伎だけでなく、新派興行の番付も数多く含まれています。

 

※「新派」って何？という方は「劇団新派」の公式サイトで「新派の歴史」のページをご覧ください。
http://www.shochiku.co.jp/shinpa/about/history/

 

まずは、『ロミオとジュリエット』の日本初演という記念的興行の番付です。「翻案劇」といって、シェークスピアの原作の筋をとり、話の舞台を当時の東京に置き換えた形での上演でした。登場人物の名も、伊井蓉峰演じるロミオは粂雄（くめお）、ジュリエットは百合枝（ゆりえ）と日本名に変えられています。そして、百合枝は女形の關清見(関清美)が演じていたことが、下部にある役人替名（配役一覧）から分かります。翻案したのは、小山内薫でした。挿絵にはバルコニーのシーンが描かれています。
 

（『ロメオ、エンド、ジュリエット』明治37年[1904]11月真砂座上演の辻番付

　　小山内薫（翻案）、伊井蓉峰一座）

 

 

（『ロメオ、エンド、ジュリエット』明治37年[1904]11月真砂座上演の辻番付【部分】）

 

次に、川上音二郎一座の番付をご紹介しましょう。明治27年[1894]1 月浅草座で上演された『意外』という作品です。当時世間を騒がせた、にせ判事による凶悪事件を劇化したこの作品は、その頃実用化されたばかりの電話を舞台で使って見せるなど、斬新な演出が受け、大好評となり、川上音二郎一座の評判は一挙に高まりました。この作品は人気シリーズとして同年のうちに『又意外』『又々意外』など次々に連作が上演されました。

 

（川上一座『意外』明治27年[1894]1 月浅草座の辻番付）

 

 

（川上一座『意外』明治27年[1894]1 月浅草座の辻番付）

出演者に川上音二郎、小織桂一郎、伊井蓉峰、水野好美の名前が見えます。模様が「川上川上」と字になっている所にご注目！

 

当館のプロジェクトと、新派の番付は、劇団新派公式サイトでも紹介されました。
http://www.shochiku.co.jp/shinpa/news/140918.html
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