アーカイバル容器の試作品を作って頂きました

お早うございます。松竹大谷図書館の武藤祥子です。

 

今週19日にご支援が1３0万を超え、目標額250万円の50％を超えることが出来ました！プロジェクト開始から緊張の連続でしたので、50％を超え、ちょっと、ほっとしておりますが、まだまだ折り返し地点、スタッフ一同頑張りますので、これからも応援を宜しくお願いいたします！

 

さて、このプロジェクトでは、皆様からのご支援により当館が所蔵する【映画スクラップ】のアーカイバル容器（保存箱）を作り、【映画スクラップ】を末永く保存することを目指しています。

 

この度、アーカイバル容器の制作をお願いする株式会社資料保存器材さんが、スクラップや書架の棚に合わせたアーカイバル容器の試作品を作って下さいました。

こちらが、その試作品です！

 

左の細い箱が、スクラップ用の「タトウ式保存箱」で、今回は平均的なスクラップの大きさに合わせて作って頂きました。また、右の大きな箱が「組み立て式棚はめ込み箱」です。こちらは当館のスクラップを配架している棚の寸法に合わせて制作をお願いしました。

 

スクラップを「タトウ式保存箱」に入れる前には、空気中の有害ガスや資料などから揮発する有機化合物を吸収する汚染ガス吸着シート「GasQガスキュウ®」で包みます。

 

それから箱に入れるのですが、箱といっても、箱状のものではなく、着物を保管するタトウ紙のように、資料を包んで、ヒネリ留め具で閉じると箱の形になる保存箱です。厚い紙製で、一つ一つスクラップの厚さに合わせて作ってもらうので、中のスクラップをしっかりと挟んで包み込み、資料の劣化要因である、埃や光の侵入を防ぎます。また、書架に立てても、自重で資料が変形するようなことはありません。

 

そしてこちらが、スクラップを約30冊保存することができる、「組み立て式棚はめ込み箱」です。今回はすでに箱の形となっていますが、組み立てる際に糊や接着剤を使用せずに箱の形にすることができます。フタの内側には汚染ガス吸着シート「GasQガスキュウ®」を入れるポケットが付いており、シートの交換が容易にできるようになっています。シートの交換時期は、収納する資料の状態や書庫内の環境によって条件が異なるので、プロジェクトが成功し、当館の書庫に保存箱が設置されましたら、またアドバイスを頂く予定です。

 

スクラップの空き棚に「組み立て式棚はめ込み箱」をはめ込んだところです。こちらもヒネリ留め具で、フタが閉じるようになっています。

 

通常上の棚板から保存箱の上部までは５ｍｍ程空けるところを、高さのあるスクラップを収納するため、棚から３ｍｍの高さにして、見た目には、ほとんど棚の空間と同じ大きさにして頂いています。出し入れの際にスクラップが痛まないようにするため、もうあと１、２ｍｍ箱の高さを出せるのではないか、との事でした。

 

保存箱の中に、スクラップを入れてみました。だいたい33冊程入るようです。スクラップの出し入れも問題なくできそうですが、しばらくこのままの状態で試用してみることにしました。

 

そのほか、保存箱の制作のためには、書庫内でのスクラップ１冊ずつの採寸作業や、箱の厚み分のスペースを確保するためのスクラップの移動など、想定しておかなくてはならないことがありますので、プロジェクトの成功を信じ、今から準備を始めております。今回計画しているスクラップ約1,800冊を、すべてアーカイバル容器＝宝箱に入れることが出来るよう、皆様のご支援・応援を宜しくお願い致します！