家族の活躍

　劇団プチミュージカルがもともと小学校のクラブ活動だったことは、このクラウドファウンディングでもご紹介させていただきましたが、小学校から独立させた時のエピソードをお話いたします。

　子どもたちを本格的な大きな舞台に立たせればどう成長するだろうと始めた劇場公演ですが、私と子どもだけでは実現できません。そこで当時のクラブ活動部員の子どもの家を一軒一軒家庭訪問し、劇場公演に対する思いをお話し、ご家族の皆さんにそれぞれ得意なものはないかと聞いて回りました。デザイナーや大工さん、電気水道工事、建材店、大型バスの運転手や洋裁等、様々なジャンルの専門家が集まってきました。

　集まったのはそれぞれのスペシャリストですが、舞台の道具を作った経験はありませんでした。そこで劇団四季の舞台裏を見せていただき、舞台道具とはこういうものだと勉強してもらいました。

　最初素人だった私たちは、アイデアを出し合い、腕を上げていきました。宝塚で上演した時には、宝塚の大道具の親方が「こんな工夫をしてるぞ」と私たちの道具を弟子たちに見せていました。

　家族の方には主に裏方スタッフとして、道具づくりや舞台転換の役割を担ってもらっていますが、実は裏方ばかりではありません。その時の演目によって、出演もお願いします。初めてお子様が劇団に入られた方は、まさか親の自分が役者として出演するとは思っておらず、びっくりなさいますが、子どものためならとやってのけるのが親というものです。今回も軍隊の士官や特攻隊員をお願いしています。初舞台の方が何人もいらっしゃいますが、どんどん上手になっています。こうやって親子が同じ夢を持ち、同じ舞台に立つことが家族の絆になっていくのです。お父さん方の活躍にもご注目ください。

強化練習のお父さん方の練習。