4月11日　The Japan Timesに本作の記事が掲載されました。

桜が満開の中、4月6日(土)に渋谷のシアター・イメージフォーラムにて初日を迎え、１週間が経ちました。

連日、たくさんの方々にご来場いただいています。すでにご覧いただいた皆様、ありがとうございました。

 

大変嬉しいことに、4月11日　The Japan Times 誌面に本作の記事が大きく掲載されました！

英語版を試聴した東京在住のライターさん、音楽評・映画評を主に書かれているJames Hadfieldさんによる素晴らしいコメントです。

ネットでも公開されています。

皆さんのおかげで、少しずつ映画が世界に広がっていっていることを実感しています。

 

 

以下、記事サイトと、簡単な日本語訳を添付いたします。

 

ネット公開URL

https://www.japantimes.co.jp/culture/2024/04/11/film/ripples-of-physis/

 

記事を書いてくれたJames Hadfieldさん

https://www.ele-king.net/writters/james_hadfield/

 

 

The Japan Timesの記事の日本語翻訳

-----------------------------------------------------------------------

複雑な壁紙のデザインや、水たまりにポタポタと落ちる雨粒に魅了されたことがある人なら、茂木綾子の "Ripples of Physis "を鑑賞する波長はすでに合っている。魅力的だが蛇行しているこの随想的映像は、（数学でいえば）スパイラルと接線の映画であり、自然界に秩序を見出そうとする人間の衝動をテーマにしている。

 

(映画ストーリー部分の翻訳は省略)

 

この映画が最も力を発揮するのは、語るよりも見せるときだ。通常ならBロールと見なされる種類のショット（メイン・アクションの間に挟まれる補足映像）は、絶妙な構図で全体のパズルの重要な部分を形成している。ベテランの英国人ギタリストで実験音楽家のフレッド・フリスによる探求的で遊び心のあるサウンドトラックと、ウエヤマトモコによる没入感のあるサウンド編集が、それらを補完している。

 

『フィシスの波紋』に弱点がないわけではない。茂木が取材した何人かには、いささか長居ではと感じさせる者がいるが、この映画は壮大な論文ではなく、むしろ“種々様々な小片”といった方がしっくりくる。しかし、その積み重ねにより、温かな驚きに満ちている。

 

タイトルの「フィシス」とは古代ギリシャ語で、「自然」と訳されることが多いが、マルティン・ハイデガーは、フィシスはより広範囲に及ぶと論じている。彼が『形而上学入門』（1935年）に書いているように、それは「元来、天も地も、石も惑星も、動物も人間も包含していた」のである。あるいは、デュマが言うところの "自然とは宇宙である"。

-----------------------------------------------------------------------

 

 

東京での上映は4月19日まで、同じ日に、京都シネマで２週間の上映が始まります。

皆様のご来場をお待ちしております。