活動のきっかけ　姫ちゃんとの出会い

猫目線、愛護目線のTNR＋M病院を作ろうと思ったきっかけを3つ前の投稿「同じいのち」に綴りましたが、猫の愛護活動を始めたきっかけは1頭の猫との出会いでした。



21年前の大雪が降った翌日。

路肩に寄せられた雪の上をふらふら歩いている子猫がいました。

下水溝に落ちかけそうになったところを抱き上げました。

手のひらに収まる小さな子猫。

膿の塊で塞がっていた両目を拭いたら

黄緑色の膿が溢れ出しました。

その頃は夫とペット不可の賃貸物件に住んでいましたが、

今救わなければ死んでしまうと

その子猫を連れ帰りました。

真夜中、痙攣を起こし血の泡を吹く子猫を抱き病院へ駆け込みました。


3日間生死を彷徨い、普通の生活ができるようになるまでに2ヶ月かかりました。

名前を姫ちゃんとつけました。

寂しがり屋で

いつも一緒にいました。

猫はこんなに可愛い生き物だと教えてくれた子でした。

姫ちゃんのために引越した家の周りには

たくさんの野良猫ちゃんがいました。

ガリガリに痩せ

怯えた目をした猫たち。

その猫たちの中に背中や頭に大きな傷があったり、顔が紫に染まっている猫がいました。

隣に住む老婆がゴルフクラブで猫を殴ったり、猫の目を狙ってクレゾールをかけている事を知りました。

外にいる猫を

そんな虐待者から守るには

全頭を保護するしかなく、28頭を家に入れました。

飢え、乾き

寒さ、暑さ

病気、怪我

事故、虐待

外にいる猫たちの生涯は過酷だと

姫ちゃんと出会わなかったら

知ろうともしなかったかもしれません。

2002年の大雪の降った翌日に出会った姫ちゃんは、2018年の大雪の降った翌日に天に召されました。

過ぎてしまえば、短かった16年。

保護猫がどんどん増えて

毎日あちこち走り回って

寂しがり屋の姫ちゃんに寂しい思いばかりさせてしまいました。

我が子を失った悲しみを乗り越える事はできそうにありませんが

姫ちゃんとの出会いによって

猫を救いたい、守りたいと

この活動への道を歩んで来ました。


歩いてきた日々の中で

救いたくても救いきれなかった命。

救っても繋ぎ留める事ができなかった命。


何度心を砕かれても

救いを待つ命がある限り

悲しみを原動力として歩き続けます。


猫を救いたい。守りたい。

救いきれないなら、守りきれないなら

不幸に生きる命を産ませない。

彩の猫はそのために必要なTNR＋M病院を作り、

殺処分ゼロ

ロードキルゼロ

多頭飼育崩壊ゼロ

そして

野良猫ゼロも目指します。

ラストゴールまで

皆様のお力を貸してください。


※TNR（飼い主のいない猫を捕獲し避妊去勢手術をして元いた場所に戻す）＋M（マネジメント、術後の猫の体調管理）