
寄付総額
目標金額 1,500,000円
- 寄付者
- 127人
- 募集終了日
- 2020年6月12日
葛原守《典則曲(三聲)》~作曲の課題
今回初めて演奏する曲➀
「戦没学生のメッセージ」プロジェクトでは、東京音楽学校で学んだ葛原守さん、鬼頭恭一さん、草川宏さん、村野弘二さんといった4名の戦没音楽学生の作品を取り上げています。それぞれ在学期間も異なり、また空襲の被災状況も違うので、遺された譜面の数は人によってまちまちです。たとえば草川さんの曲は30曲ほどあるものの、鬼頭さんの曲は現在確認できているのは編曲も含めて6曲のみです。
そんな中、今回は彼らの今までに演奏したことのない曲を、意識的にプログラムに入れました。それらは作曲課題、習作、あるいは編曲といった作品群です。もちろん、彼らは作曲家として世に出る以前に命を落としてしまったわけですから、その意味では、もともとその作品は習作といえるのかもしれません。ただ今回取り上げる初演曲は、そうした中でも特に習作の色合いが強い曲です。
これから4回の「新着情報」で、今回初演奏となるそうした曲を順番にご紹介していきます。1回目は葛原守さんの曲です。
◆葛原守《典則曲(三聲)》
今回演奏する葛原さんの初演曲は《典則曲(三聲)》です。「典則曲」とは聞きなれない言葉でしょうが、現代の音楽用語でいえば”カノンcanon”のことです。外国から入ってくる音楽用語を、当時の音楽学者たちは日本語に訳すのに頭をひねりました。「典」という字には、「典範」といった言葉からもわかるように「おきて」といった意味があります。「則」は「~にのっとる」ことですから、「典則曲」は「おきてに則った曲」ということです。そしてこの場合の「おきて」は「対位法」のことです。
「対位法」は複数のメロディを、それぞれの独自性を保ちながら調和よく重ねる技法で、作曲を学ぶ上で「和声(ハーモニー)」と並んで、必ず身につけなければならない基礎のひとつです。”カノン”は対位法による初歩的な作曲のスタイルのひとつで、最初のメロディを次々と反復しながら追いかけていく形式の音楽です。そうした様式から”カノン”には「追走曲」という訳語もあり、その言葉のほうが「典則曲」よりイメージがわきやすいかもしれません。
言葉で説明しただけでは分かりにくいので、実例を挙げてみましょう。皆さんは《かえるの合唱》という曲をご存じですか。最初のグループが「かえるの歌が~」と歌い出すと、次のグループが「聞こえてくるよ」のところから、再び「かえるの歌が~」と同じ歌詞を同じメロディで追いかけて歌うあの歌です。これがもっとも単純な”カノン”で、こうした歌は「輪唱」といって親しまれています。
そして作曲のレッスンでは「対位法」の技術を身につけるため、訓練としてカノンを作曲する課題が与えられました。葛原さんの専攻はピアノでしたが作曲にも興味を持ち、橋本國彦先生に師事していましたから、この《典則曲(三聲)》も橋本先生から課題として与えられたと推測されます。「三聲」の聲(声)は音楽では声部(重なり合うパートのひとつ)のことですから、三声部で書かれたカノンということになります。譜面の表紙には「本科三年」と記されていますので、書かれたのは昭和18年だと思われます。
曲はハ長調、全25小節。1小節遅れで同一のメロディが、先行する声部を追いかけます。3番目の声部は先行する声部のオクターブ下で書かれています。3小節目から22小節目までの20小節間は、反復記号による繰り返しの指示があります。その22小節目までは厳格に追いかけが続きますが、最後の3小節は曲を終わらせるためのコーダで、そこだけはカノンになっていません。またコーダの上声部と中声部は2声に分かれていて、カッコで音が追加されています。特に楽器指定はないので、今回はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのトリオで演奏します。(大石泰)
ギフト
3,000円

「戦没学生のメッセージ」プロジェクト応援コース
お礼状、クリアファイル
- 申込数
- 34
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年6月
10,000円

「里帰りコンサートin旧奏楽堂」応援コース①(コンサート不参加)
お礼状、クリアファイル
コンサートプログラムにお名前記載(希望者のみ)
当日のコンサートプログラム
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- 20
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年8月
3,000円

「戦没学生のメッセージ」プロジェクト応援コース
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