
支援総額
目標金額 4,000,000円
- 支援者
- 252人
- 募集終了日
- 2023年11月30日
荒涼の海岸に、一縷の望みは光るのか?/ 2023年瀬戸内海考(原隊長の手記)
本プロジェクトをご支援いただき、本当にありがとうございます!!
原隊長の手記をお届けします!!
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荒天の隙をついて笠岡諸島から仙酔島、そして11月6日には鞆の浦まで漕ぎ着きました。

さて、今年の11月2日で、瀬戸内海環境保全特別措置法(通称:瀬戸内法)が臨時措置法として施行されて50年になりました。
立法当時の1973年は高度成長期のまっただ中、瀬戸内の閉鎖性水域に窒素やリンを多く含む沿岸からの排水が注ぎ込まれていました。富栄養化によるプランクトンの異常発生、頻発する赤潮被害を防ぐため、総排水量を帰省し、瀬戸内海沿岸の行政府は環境保全のための計画策定をしました。2021年には同法の改正があり、下水処理場などの排水基準を緩和し、府県レベルで水質対策のコントロールができるようになりました。
「海が綺麗になりすぎた」
「昔はし尿や生活排水も全部海に流しよった。その頃は魚が溢れていたもんや。」
瀬戸内海を旅していると各地で聞こえてくる言葉です。確かに瀬戸内海の漁獲データを見ると、1970〜80年代の漁獲量はピークとなっています。それは高度成長期と重なり、汚染や赤潮で海の富栄養化が進んだ状態が海の生物にとって良かった、と思われている要因でもあると思います。
先日も瀬戸内海の排水処理施設が既に規制緩和をして放水をしていると報道がなされましたが、私自身はその理論に対しての違和感が否めません。というのも戦前の瀬戸内海を記録した文献を深掘りすると、かつては水はどこでも透き通り海藻は繁茂し魚は溢れるように湧いていたという記述が明らかにあります。
確かに生物にとって栄養分は大切なものです。しかし人間の生産活動や自然破壊の残渣は、豊穣の海の手助けをしていたのか?果たしてそれが本来の瀬戸内海の生態系なのか?根底から認識をひっくり返した方がいいと思っているのです。
経済成長に伴う開発、コンビナート建設の埋立てや架橋、さらにダム建設などによって瀬戸内海の姿は大きく変わりました。干潟や藻場の消失によって生き物は減少するも、同時期に漁具の近代化や大型化、魚探やレーダー機器の使用による大量漁獲が重なることで、一時的なデータとして魚が増えたと錯覚しているのではないか?沖合での海苔や牡蠣の養殖など、かつては成り立たなかった漁業をスタンダードだと捉えているのではないか?そのような疑問は大いに残ります。
そういった意味でも、戦前を生きた世代の方の海の記憶はとても重要な証言だと考えて、聞き取りを行っています。
もちろん瀬戸内海と一言でいっても、閉鎖性水域の中で海域ごとに様々な特色があり、年や季節によっても違いはあるものです。また漁民にとっては、大量に魚が獲れて儲かった海こそ良い海であるとの記憶は強く、昔の海は濁っていたという証言が多く聞かれます。その反面、戦前の子供の頃に潜った海は澄み、海藻が繁茂し、そこに棲む魚を突いたり手掴みで獲ったりしたという思い出を各地で聞いてきました。

私たちはどんな瀬戸内海を取り戻さなければならないのでしょうか?私たちがいま毎日のように上陸する浜や干潟は生き物の姿がない、まるで砂漠のような姿になっています。岩場にもフジツボやカメノテ、イガイの姿も見えません。アオサがどこからか打ち寄せ、汚染にも強いボラやエイ、チヌ類の食跡も海岸には多く残っています。さらに近年の温暖化による高水温の影響で、多くの海草も枯れてしまうという追い打ちをかけている現実もあるようです。
一部の大型漁業を除いて、沿岸小規模漁業者はほとんど後継者もいなく、自身のおかず程度の漁業をする程度だと各地で見聞きしてきました。排水の規制緩和だけで手がつけられる状況とはもう到底思えないのです。
島をカヤックで繋ぎながら海旅をしていて、ふと気付いたのが島の陸の様子です。かつて山の頂上にまで石を積んで耕作されていた田畑は既に草木に覆われ、森に戻りつつあります。イノシシが泳いで渡ってきて、我が物顔で島を闊歩しています。人の営為が薄れた島に自然は覆い被さるようにして、残った島人を包み込んでいくようにも見えます。陸の自然の再生力は驚くべきものです。良い悪いは別として、それは現実です。
では海に再生力を戻すための手段はどうしたらいいのか?干潟を再生し、海草を枯らさない為の海水の温度を下げる手出てはないものか?
その解決としては、瀬戸内海に注ぐ河川に造られたダムを開放するしかないように思います。正常な流れを取り戻し、山からの砂を海に放出させ干潟を再生させる。山からのよどみない栄養塩豊かな川の水が、魚の住める水域を形成させる。陸の自然の力を海に供給する。人間でいえば血栓が起きた血管の流れを正常な流れに戻すのです。もし不要と判断されるダムがあるのなら、1本の河川からでも実験検証してみたいものです。

東京での上映会で少し隊を離れていた水本監督も再び合流しました。鞆の浦以降の取材の様子は次号にて。
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- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月
10,000円+システム利用料

書籍コース
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※瀬戸内の過去と未来を形にし、皆様のもとへお届けします。
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