200年の謎を解き明かした話

チドリミドリガイは、1800年代にジャワ島で初めて発見されました。

目立つ生き物だったのですが、実は、発見されてから約200年間、何を食べているのかがわかっていませんでした。

他の研究から、ウミウシが葉緑体を持っていること、持っている葉緑体が餌からくること、光合成を維持する力が強いこともわかっていました。

それでも何を食べているのかがわかりませんでした。1970年代の論文には、「餌がわからないことが問題」と書かれています。

チドリミドリガイは砂地をはっているので、周囲に餌になりそうなものがありませんでした。

中には、「成体は餌は食べてないんじゃない？」「小さい頃に光合成能力獲得したら、ずっと光合成してるんじゃない？」などという意見もありました。

なんと、その200年の謎を私が解き明かしました。

個体の中にある葉緑体の中のDNAを調べ、8種類の藻類に由来する葉緑体が一つの個体に混ざっていることがわかりました。

また、ウミウシが光合成に依存しているのか、藻類に依存しているのかも調べました。この研究により、野外の個体は、藻類を食べて栄養を得ていることがわかりました。

餌がなければ光合成で生き延びることができますが、野外のウミウシは、実はたくさん藻類を食べているということがわかったのです。

頑張れば食べているところも見れるのでは？と思ったのが2012年。

そこから10年の時を経て、最近ではウミウシが藻類を食べている瞬間を写真に収めることができました！！！！

まだ公開はできませんが、いつか見れる日を楽しみにしていてください。