④養親からのメッセージ

娘は第１回養子当事者使節団の一員としてアメリカに行かせてもらうことになりました。

　このような多くの方からたくさんのご支援をいただけることは、子どもたちが未来につながるいい機会になるととともに、私たち親の子育てが間違っていなかったんだと自信につながりました。

　今は亡き父（娘にとって祖父）が、娘を抱いて、「神の手から神の子を、大切に、大切に見守ろう」と、声をかけてくれました。父は、クリスチャンではなかったのですが、それでも、腕の中で眠る孫を見て、思わず、「神の子」と口にせざるを得なかったのだと思います。妙(たえ)なる縁で結ばれて、子は「今、ここにいる」。その出会いの連続の行く末は、神のみぞ知る、そんな心境だったのではないかと想像しています。　

　胎児は子宮という、安心して身を預けられるふかふかの布団で育ちます。精子と卵子が受精するだけでは育たず、植物で例えると、良質の土がないと育ちません。私たちの子育ても、子宮のよう、良質な土のように、安心して身を預けられる日常を準備し、大切に見守りながら育てていく必要があります。

今回、その礎を多くの方々が作ってくださいました。子宮のような、良質な土を準備してくださいました。国境を越えて、社会にはいろいろな見方(・・)があることを知り、その人たちを味方(・・)にする、越えた先に自分たちの求める世界がある、さあ、これからは、「神の子」自身がチャレンジする時です。