「ぼくらは、ひとつ空の下」アレッポからのメッセージ

　このアレッポの男の子2名を紹介してくれたのは、アフマド・アスレ（優人）さん。Team Bekoのアレッポボランティアです。メッセージを送ってくれました。

 

【アレッポからのメッセージ】

 

日本のシリア人の友達へ、

今までシリアのアレッポ町では戦争の影響で、たくさんの家族が苦しんでいて、生活費を捻出しなければいけないという悩みは、まだ続いています。特に薬が必要な子供たちです。

私はアレッポでボランティア活動中にイブラービーム君とサラーフ君と出会いました。

同僚が教えてくれたのです。アレッポのひどい経済の中で、家族たちは絶望して、誰でもいいから助けてくれる人を探していました。

戦争の影響をまともに受けている家族の状況を聞かせてもらい、その姿を見て何か助ける方法を探さなければと思ったのです。

Team Bekoで、クラウドファンディングをして、日本の皆様の力を借りて助けようということになりました。

皆様シリアに関心もって頂いていつも感謝しております。

誠にありがとうございます。

優人　(アフマド・アスレ)

 

　アフマドさんは、「ぼくらはひとつ空の下」

シリア内戦最激戦地アレッポの日本語学生たちの1800日のを上梓しました。

今回のクラウドファンディングにもお付けしましたが是非皆様読んでください！アレッポ大学に設けられた、学術交流日本センターで学んでいたアフマドさんの記録ですが、仲間たちも寄稿しています。

 

 　2013年には、大学で爆破事件があって80人以上がなくなるという悲劇も起きました。学生だけでなく3万人の避難民が学生寮に寝泊まりしていて、犠牲になった人もいます。サラーフ君も、学生寮に避難していましたが、幸いにもケガはありませんでした。

 

そのような状況でも、日本語や、日本文化を学ぶことで、希望を失わなかったということが書かれていてとてもうれしくなりました。

特に、アニメや漫画の世界から、言葉を選び生きる糧にしていたことには驚きました。むしろ、アニメーションをつくるときに、シリアのリアルの戦争、戦闘シーンなどを参考に作られているのだろうなと思うことが多々ありますが、シリア人にとっては、現実そのものなのに、日本のアニメのセリフを彼らの現実にあてていくという作業をやっていたのが印象的です。たとえば、進撃の巨人の「この世界は残酷だ。そして..とても美しい」というエレンの言葉ですが、我々だとスルーしてしまいそうなこのセリフをアフマドさんが大切にして、シリアの現状を受け入れていくということです。

 

アニメ=単なる闘いだけの物語ではありません。人生に必要なレッスンがたくさんあります。

というのは、スザンさん。

文学も読みこなしていて

人は弱ると悪い気持ちが強くなってしまう。その気持ちはその人を操作して、別の人間に変えてしまう。（太宰治の「人間失格」から学んだこと）
私の見るものと、他者の見るものはちがう。人々が互いに分かり合い、争うわないためには他者の言葉に耳を傾けた方がいいということ
（夏目漱石の「こころ」からまなんだこと）

シリアの復興を担う若者たちがこのように日本からいろんなことを一生懸命学んでいる姿を見て、じゃあ我々はなんなんだろう。国際社会において何ら重要な役割を果たしているのかなあと反省することもしきりです。我々の生き方をも見直すきっかけになる本です。

　

 

本を作られた小澤祥子さんのインタビュー動画はこちらです。

https://youtu.be/LsB9ZW_N5ME

　

書籍情報、9/25講演会、アレッポ応援ファンディングなど刊行記念イベントはこちらの特設ページをご覧ください（ ＾ω＾）/

http://nanatsuno-hoshizora.com/2021/08/04/1108/