サロメさんの献身的な愛への決意

　2010年7月2日、コリンズ・カマウ君はシングルマザーであるお母さんのもとに生まれました。このため、コリンズ君とお母さんはおばあちゃんであるサロメさんに面倒をみてもらっていました。

　生後2か月、コリンズ君のけいれんが始まり、何度も病院に通い、多くの時間を入院に費やしました。初めての子どもがこのような状況であることは、お母さんにとってとても困難なことでした。

　それから1年後、お母さんはコリンズ君の発達の遅れに気づき、病院に行くことをあきらめ、コリンズ君はおばあちゃんに任せっきりになりました。

　そして、コリンズ君が5歳の時、コリンズ君を完全に捨てておばあちゃんであるサロメさんに託し、お母さんは結婚して家を出ていきました。

 

　コリンズ君を託されたサロメさんは、牧師さんからシロアムのことを聞き、2017年コリンズ君をシロアムに連れて来ました。そこで、サロメさんはコリンズ君が自閉症であることを初めて知りました。

　シロアムの園に通うようになって、コリンズ君に本当に大きな変化がみられています。以前は自分で動くことはできませんでしたが、今は座った姿勢で自由に動き回ります。また、以前は常に下を向いていましたが、今は顔を上げて、他人と視線を合わせることができるようになりました。

　サロメさんが今一番困っていることは家族・親戚のコリンズ君に対する態度で、コリンズ君の面倒を見てくれようとする人がいません。このため、家族の生計を支えているのがサロメさんであるにも関わらず、日雇いの仕事に行くのがとても難しい状況です。

　サロメさんは、もしコリンズ君のお母さんがシロアムの園を訪ねてくれれば、彼女がコリンズ君を今のコリンズ君のままで受け入れ、愛することができるようになるかもしれないと考え、いつかその日が来ることを願っています。

 

「サロメさんにとってのシロアムの園は？」の質問に「シロアムの園ではコリンズ君を受け入れ、愛し、よりよい人生を送るチャンスをくれることを知り、心に平安をいただきました」と嬉しそうに話してくれます。

サロメさん自身もシロアムの園に来るようになって、ほかの保護者さんと交わることによって多くの励ましを受け、コリンズ君を愛し、支えることを学びました。そして多くの困難を抱えながらもコリンズ君を育て上げることに対する献身の気持ちを強めています。

　　　　　　　　　　　　　　　SW　ウィニー（ニュースレターNo10より）