ﾒｯｾｰｼﾞﾘﾚｰ＃4　どの子も大きな可能性を秘めて

次は、シロアムの園でボランティアをしてくださっている小谷京子さんです。

====================================

 

学期末発表会でモーリンちゃんをサポートする京子さん　

私がシロアムのグループセラピーをお手伝いさせて頂くようになってから１年が経ちますが、その間、一人の女の子を継続的に担当させて頂きました。

 

　その子は一人で立ったり、歩いたりすることができず、言語もその子のオリジナル。食事も補助を必要としており、私はこれまで育児や子どもの教育、障碍者支援とは全く無縁でしたので、当初はどんなことをしたらいいのか戸惑っていました。しかし毎週接しているうちに、自分もこの子と一緒に学び、成長していくのだなと感じるようになっていきました。　　

　　

　半年ほどたった新学期の初日、久しぶりに会ったその女の子は、教室に向かって一人で歩いてきました。最後に会った時はまだ補助を必要としていたので、私はその姿に本当にびっくりしました。彼女自身がまだ自分が一人で歩けていることにびっくりしているようにも見えましたが、同時に喜びを全身で爆発させ、歌い、踊り、活動を楽しんでいました。それからの彼女は、少しずつこちらの意図したことができるようになり、ちょっぴり忍耐や感情のコントロールを覚え、今年の１月から、グループセラピーを卒業して、学校に通い始めました。隣で彼女の成長を見ていた私には、少しずつ大人びていく彼女の姿が本当に眩しく、人間の可能性の大きさを考えさせられました。

 

　シロアムにいらっしゃるお子さん方皆が彼女のように動けるわけではなく、瞳を動かしたり、微笑んだりするのがやっとというお子さんもいらっしゃいます。しかし、それぞれが、自分なりの精一杯のやり方で自分を表現していて、私はそこにいのちの輝きを見るのです。信仰のある方は、それを神や御仏の御業とおっしゃるかもしれません。

　

　セラピーは毎回、最初と最後に子ども、父兄、スタッフ、ボランティアが一堂に会し、その一日の無事と感謝を神に祈ります。皆と心を一つにして祈りながら、私はその一員に加えてもらえたことに胸がいっぱいになるのです。

 

　日本から見て、ケニアは本当に遠い国です。ただそこにも、日本と同じように喜び苦しみ生きている人々がいることに思いを馳せ、心を寄せて頂ければと思います。

シロアムに対しご関心をお持ち頂き、ご支援賜りまして、心からお礼申し上げます。今後も引き続きご支援下さいますようお願い致します。

グループ療法で、モーリンちゃんにイエス様の誕生を祝うお話をする京子さん