中銀カプセル解体!救出した7カプセルで動く建築とメタボリズム実現へ
中銀カプセル解体!救出した7カプセルで動く建築とメタボリズム実現へ

支援総額

4,610,000

目標金額 3,000,000円

支援者
188人
募集終了日
2022年11月25日

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2025年03月16日 19:53

中銀カプセルタワービル全31個の「保存カプセル」が「廃棄」の危機を迎えています

2022年10月に解体された中銀カプセルタワービルから救出されたスケルトンの「保存カプセル」は全部で31個ありました。うち、7個を私たち「中銀カプセルタワービルA606プロジェクト」が、23個を「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」が、残りの1個をとある企業が引き取りました。

 

2025年2月、全31個の「保存カプセル」は、国から「廃棄」するよう指導を受けており、「保存カプセル」は危機を迎えています。

 

私たちA606プロジェクトは、2025年2月12日に東京労働局から指導を受けました。また、7個のカプセルを置く倉庫の管轄の労働基準監督署の方による検査が2月21日に行われました。

これらの指導や検査は、少なくとも国内の全てのカプセルに対して同じ対処が取られているそうです。どこかに保管されている表にでていないカプセルだけではなく、展示されているもの、所有されているものなどについても同じ検査がされ、「保管カプセル」にはアスベストがあるという前提で指導が行われています。

2025年2月12日に、東京労働局から渡された指導票。

 

指導票にある通り、「労働安全衛生法第55条により石綿が0.1%を超えて含有する物については、製造、輸入、譲渡、提供又は使用することが禁止されています。」とあり、アスベストがある状態の「保存カプセル」では、何もできません。

 

国(厚労省管轄の東京労働局)から示された選択肢は、まとめると大きくは2つです。

1)カプセルの廃棄

2)カプセルのアスベスト(石綿)全除去

3)元の所有者による「回収」、という選択肢も示されていますが、「元の所有者」も「カプセルの廃棄」または「アスベストの全除去」の対応が求められているため、選択肢は実質2つです。

 

「元の所有者」は、たとえば、私たちA606プロジェクトの場合は中銀カプセルタワービルの最終所有企業です。カプセルを購入などした企業の場合は、販売などした「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」のことです。

 

 

なぜ、このようなことが起きているのでしょうか?

 

それは、「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」が、「保存カプセル」の内部に吹付アスベストが残っている(残る可能性が極めて高い)と知りながらまわりに伝えず、アスベスト除去もせずに危険な状態で内外装リフォームの労働をさせ法律で禁止されているアスベストが含まれている物(=カプセル)を販売や貸出をし、危険なアスベストがある状態のカプセルで労働者を働かせ見学なども行い使用したためです。

 

「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」は、労働基準監督署の指導を受けるのは、これが初めてではありません。少なくとも2023年2月に千葉県内の「カプセル工場」と呼んでいた「倉庫」に労基の検査があり、その後、改善指導が行われていました。その後、他の場所でも指導が何回かあったようです。

2023年2月に行われた「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」の検査に対する「安全衛生指導復命書」

そのような指導がありながら「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」は対応を変えることもしませんでした。

また、「保存カプセル」周囲で関わっていた建築士事務所や建築関係者・建設業関係者、大学の先生などがいながら、このアスベストの問題について、なぜ、誰も改善するよう団体に働きかけなかったのでしょうか?

 

スケルトンのカプセルでは、解体から数年経ち、解体時のアスベスト固着液も劣化して、吹付アスベストがそのまま目に見える場所にある状態になっていました。また、外壁にアスベスト含有塗料がある可能性を考えず、検査もせずにそのまま使用したことも問題の1つです。本来であれば、解体直後のスケルトンの状態で十分な時間と費用をかけて適切に対応すべきところを、作業を急いだことが原因で全てを省略したようです。

 

解体時、銀座から運び出されたスケルトンカプセルは、アスベストを適切に除去する機会だったにもかかわらず、必要な対策がとられないまま進められました。その結果、「保存カプセル」が危機にさらされています。

 

なぜ、「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」が、そこまで早くに対応できるのだろうか?と思っていましたが、法に則らずに必要な手続きも対処も行っていなかったからです。

 

吹付アスベストは負圧環境下で適切な装備(保護マスク、防護服など)をした上で除去しなければいけません。たとえ、「レベル3」の含有塗料でも、それを含む塗料を削ったり、穴開けしたりすると飛散しますので注意が必要です。内外装のリフォームをした際、作業員の方達はアスベストがあることを知らずに作業してしまったことでしょう。これは、作業員の健康を害する行為です。

 

31個の「保存カプセル」のうち、私たちが管理している7個のカプセルは、当面は「保存カプセル」を自分たちのみで「保管」し、後に「アスベスト全除去」という以前と変わらない方針を関係各所に伝え済みです。できる限り早い時期のアスベスト除去を目指しています。

ですが、「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」などが販売や貸出してきた23個の「保存カプセル」については、いままさに「廃棄」の危機が訪れています。

(他の企業が所有していると聞いていた最後の1個の「保存カプセル」は、現在、存在しているかどうか分かりません。)

 

「保存カプセル」は、いま、どのような危機的な状況か?

 

たとえば、松竹が東銀座の東劇ビルに増築したギャラリー「SHUTL」では2個のカプセルが2023年10月から展示スペースとして活用されていました。ところが、2025年2月14日に「一時休館のお知らせ」が出され、3月9日に現地を確認したところ、黒い幕が掛けられ中が見えないようになっていました。

2025年3月9日のSHUTLの様子。黒い幕が全面にはられ、中が見えないようになっている

 

開館直後の2023年11月のSHUTLの様子。外から2個のカプセルがよく見えるようになっていた。中銀カプセルタワービルを使用していた「声」さんによる中銀カプセルタワービルの展示が行われていた

 

同日の3月9日には、SHUTLすぐ裏の駐車場に2個のカプセルらしき合板で包まれた物体が置かれていました。SHUTLの展示スペースから外に出され、アスベストがある状態で駐車場で「保管」、もしくは、「回収」や「廃棄」されるのを待っているようです。

2025年3月9日、SHUTLと同じ敷地内の駐車場に置かれたカプセルと思われる2つの物体

 

2023年7月、SHUTLの建設工事期間中は、同じ駐車場にブルーシートで包まれた2つのカプセルが鎮座していた

 

また、最初期の活用例で淀川製作所の「ヨドコウ+」というブランド名から発表した「トレーラーカプセル」は、2023年4月に登場してから1年程度で姿を見せなくなりました。こちらはアスベスト以外の問題もあるようですが、それは省略します。

2023年4月に幕張メッセで展示されていた「YODOKO+」の「トレーラーカプセル」

 

2025年3月15日に「ヨドコウ+」のウェブサイトを確認したところ、「トレーラーカプセル」などの紹介ページや「ABOUT」に書かれていた「黒川紀章」、「1970年大阪万博」、「中銀カプセル」についての記述が一切無くなっていました。

Googleで「トレーラーカプセル」と検索すると、検索結果として「TRAILER CAPSULE YODOKO+」などと出てくるが、キャッシュが残っているだけでリンク先に「トレーラーカプセル」の情報は無い。

 

 

国内では、カプセルを所有していたのはこの2社(ヨドコウ、松竹)で計3個と思われます。

 

貸出では、いままでにGINZA SIXで展示されていた1個(いまは別の場所に移動)、現在、和歌山県立近代美術館(美術館は休館中)で展示されている1個、LIXILの常滑市のINAXライブミュージアムの庭で「なんとかせにゃあクロニクル ―伊奈製陶100年の挑戦―」で3月25日まで展示されている1個、横須賀市のソレイユの丘で「泊まれるカプセル」と言っていた(けれど、その後動きが無い)エンジョイワークスの5個で、計8個。

 

国内にある複数のカプセル、人目にふれる場所・人がさわれる場所、特に中に入れる場所については、早々の対応が求められています。

国から指導を受けて「保存カプセル」のイメージが悪くなり、人に見せたり使わせたりもできなくなった途端に、最初から何も無かったかのように存在を消されつつあり、「保存カプセル」が知らないうちに廃棄されてしまうと私たちは危機感を抱いています。

 

国外に移動してしまったカプセル、たとえば、サンフランシスコのSFMOMAの1個(2023年6月発表)ニューヨークのMoMAの1個(2023年に収蔵?)香港のM+のカプセルの1個(2024年11月展示開始)ローマのMAXXIの1個(2024年10月〜2025年3月展示)、計4個が現時点では海外にあります。

アスベストの扱いは、国により変わりますが、欧米は日本よりも厳しいため、今後、「保存カプセル」がどのような扱いになるかはよく分かりません。また、一般的にはアスベスト含有の物品は、日本からの輸出より輸入のほうが厳しいです。

 

「アスベストが規定値以上含有するものを他者に譲渡・販売・貸出など使用させること」は法律で禁止されています。今後、「保存カプセル」を活用するなら、きちんとアスベストを除去してからしかできません。

一定の金額を払った企業などが、さらに追加で費用を払いアスベストを除去して、さらに、再度、内外装を整える費用を出すでしょうか?

アスベスト除去の費用は出さずに「回収」や「廃棄」を選択するでしょう。

 

 

私たちが以前から書いている、たとえば、2022年9月30日「終了報告:「記録保存」と「カプセル保存」の完了と今後について」にあるように、残念ながら、中銀カプセルタワービルの「保存カプセル」の中には最も危険度が高い「レベル1」の「吹付アスベスト」が残っている可能性が高いと考えていました。私たちは、残っているという前提で除去作業を行う予定で考えていました。

 

2025年2月に、私たちが7個のカプセルを置く倉庫の管轄の労働基準監督署による検査が行われ、私たちの想像以上に吹付アスベストがカプセル内部に残っていることが判明しました。

2025年2月21日、A606プロジェクトのカプセルを保管する倉庫で労基によるアスベストの検査。写真の範囲のカプセルA606の床パネルでは、アナライザーによるとアスベストは検出されなかった。「Undentified(アスベスト未確認)」の文字が表示されている

 

2025年2月21日。私たちA606プロジェクトが保管するカプセルの1個の内部の壁パネルの検査の様子。アナライザーで「Am/Cr」と表示され、「アモサイト(茶石綿)」または「クロシドライト(青石綿)」のいずれかが検出された。過去の資料では、カプセル内には「アモサイト」の吹付アスベストが使用されている

 

 

また、2023年11月8日「カプセルの外壁には許容値の31倍のアスベストが含有されていました」にもある通り、私たちが実施したアスベストの分析調査によって先に判明していましたが、2月の検査ではアナライザーによっても「保存カプセル」の外壁にアスベスト含有塗料がしっかり残っていることも分かりました。

2025年2月21日。カプセルA606の外壁のアナライザーによる検査の様子。外壁では「Chrys」と表示され、アスベストの「クリソタイル(白石綿)」が検出されていた

 

せっかく残してもらえたこの世に31個しかない「保存カプセル」が消えようとしている、今、「保存カプセル」を救うことはできないのでしょうか?

2025年3月16日

中銀カプセルタワービルA606プロジェクト

代表いしまるあきこ(石丸彰子)

リターン

3,000+システム利用料


alt

A606プロジェクト応援A(お気持ちのみ)

記念品などをお届けしないかわりに、いただくご支援をできるだけ多くプロジェクトのために使用させていただく コースです。
ーーーーーーーーーー
●御礼のメール

申込数
23
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年12月

5,000+システム利用料


カプセルA606+共用部のオンライン見学会ご招待(2022年3月末の解体直前の記録映像より)

カプセルA606+共用部のオンライン見学会ご招待(2022年3月末の解体直前の記録映像より)

●御礼のメール
●カプセルA606+共用部オンライン見学会(期間限定アーカイブ有)
・共用部は1階外部・ロビー・6階ブリッジ・階段室です。

代表いしまるあきこが、解体直前の2022年3月末に、みなさまをカプセルA606へご案内する動画を撮影しました 。

当時、現地開催を検討していましたが、裏の増築部の解体が始まっていたことによる粉じんやアスベストの影響を鑑み、実施を断念しました。そのため、映像で記録を残しました。

2022年3月末にはA606室内にベッド・スツールなどもフルレストア(復元)していたため、その解説もしています 。

今回の映像は前回のクラウドファンディングのリターンとして2021年8月に実施したオンライン見学会とかぶる内容もありますが、より細かな内容でお伝えし、雰囲気も変わる予定です。

撮影日:2022年3月31日
撮影・編集:和久井幸一
企画:いしまるあきこ

※2023年1月末までに開催予定、日程などの詳細を追ってご案内いたします。

申込数
22
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年1月

3,000+システム利用料


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A606プロジェクト応援A(お気持ちのみ)

記念品などをお届けしないかわりに、いただくご支援をできるだけ多くプロジェクトのために使用させていただく コースです。
ーーーーーーーーーー
●御礼のメール

申込数
23
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年12月

5,000+システム利用料


カプセルA606+共用部のオンライン見学会ご招待(2022年3月末の解体直前の記録映像より)

カプセルA606+共用部のオンライン見学会ご招待(2022年3月末の解体直前の記録映像より)

●御礼のメール
●カプセルA606+共用部オンライン見学会(期間限定アーカイブ有)
・共用部は1階外部・ロビー・6階ブリッジ・階段室です。

代表いしまるあきこが、解体直前の2022年3月末に、みなさまをカプセルA606へご案内する動画を撮影しました 。

当時、現地開催を検討していましたが、裏の増築部の解体が始まっていたことによる粉じんやアスベストの影響を鑑み、実施を断念しました。そのため、映像で記録を残しました。

2022年3月末にはA606室内にベッド・スツールなどもフルレストア(復元)していたため、その解説もしています 。

今回の映像は前回のクラウドファンディングのリターンとして2021年8月に実施したオンライン見学会とかぶる内容もありますが、より細かな内容でお伝えし、雰囲気も変わる予定です。

撮影日:2022年3月31日
撮影・編集:和久井幸一
企画:いしまるあきこ

※2023年1月末までに開催予定、日程などの詳細を追ってご案内いたします。

申込数
22
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年1月
1 ~ 1/ 19


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