最近の心の動き

研究者は、新しい事象を発見して論文にまとめ、それを可能な限り良いJournal（研究成果を掲載する定期刊行物）に投稿し、他の研究者の審査を受け（ピア・レビュー制）、合格すれば掲載されます。そして、その成果を元に次の研究を行うための研究費を申請し、やはり他の研究者の審査を受け、認められれば研究費を獲得できます。所属している研究機関は、そのような研究者の成果が研究機関の評価に直結しますので、研究者に良いJournalへの論文発表を求め、研究者も、自分への評価を高めて多くの研究費を獲得することを目標に、このような作業を続けます。私もそのようにして過ごしてきましたし、そのような作業は国際競争力のある研究成果を産み、ひいては国民に利益をもたらしています。

しかし、今回のクラウドファンディングを実施する中で、切実な願いと共に寄付金を戴くという経験は、これまでとは全く異質のものです。何としてでも成し遂げなければというモチベーションが高まります。限られた研究者人生ですが、実用化のためにあらゆる可能性を追求しなければという思いを新たにしています。