人工湿地の完成！！

生物多様性の視点から水田下流に新しく人工湿地を設置しました。今回の水田改修工事によって、圃場そのものは水が溜まりやすくなり、また水を根水管・暗渠排水から流して水を排出しやすくなりました。これは微生物の活性化に繋がり農学的側面では利点となりますが、一方で湿地状態がなくなることを意味します。そのため、現在ある足洗い場（上流の水たまり場）に加え、人工湿地を設置し、湿地を好む生き物が生息できる場所を作りました。

また、ホタルイが発見された場所の水田の深い層（50cm～1m）から取り出した土はフレコンバックに入れ、一旦学校内に運んでいます。植物種子保存のために４袋に取り分けた土壌サンプル（3番区の深度30-50センチ0.5m3，5番区深度50-70センチ0.5m3）を採取しました。これは、埋土種子調査で観察した土を一定期間保存し、水田の状態に変化があった場合などの際、もう一度水田に戻したいと考えているためです。

この人工湿地の設置および深い層（50cm～1m）から取り出した土の保管をもって、ケルネル水田改修工事の全ての作業が終了しました。2022年6月にスタートしたクラウドファンディングは多くの皆様のご支援を持って目標が達成されました。谷津田であるための工事の困難さ、環境保全との両立など、様々な課題に直面し、当初の改修工事の計画から2年ほどかかってしまいましたが、これで約束が全て果たせたことになります。2年半にもわたる間、温かいご支援、本当に、本当にありがとうございました。