初めての持ち込み犬レスキュー

今から9年前、初めて「持込み犬」チワワをレスキューしました。

飼えなくなったと、保健所に持ち込んだのです。

2008年当時は、持込みの場合、

翌日には殺処分という時代でした。

 

 

この子を抱き上げたとき、洗いたての

シャンプーの香りがしました。

 

飼い主は今から手放す子を、
どんな気持ちで、

どんな思いで、

シャンプーしたのでしょうか…

飼育放棄は絶対いけないこと、許されない事。
でも…飼い主への「怒り」の感情はありませんでした。

きっと、手放さなければいけない

深い事情があったんだと、

誰も助けてくれる人がいなかったんだと…

チワワちゃんの身体に触れたときに、

そうハッキリ感じました。

 

事情は分かりませんが、

なんとなく切なくなり、

チワワちゃんを抱っこしてて涙が止まりませんでした。

 

このチワワちゃんは、レスキュー後に

預かりさんに託し、

新しい飼主さんのもとに旅立ちました。

 

チワワちゃん譲渡から8年後…

 

家族に迎え入れて下さった飼主さんが、

新聞で私の講演会があると知って、

遠くからかけつけて下さいました。

 

 

私の講演は、

これまで保護犬猫と携わって感じた事、

保護犬猫達から学んだ事、

あの子達の目線、あの子達の気持ちを

伝えて行くのが目的です。

答えを出すのは私ではないし、

どう感じ受止めて下さるのかは、

聴衆皆さんだと思っていますので…。

 

 

あのチワワちゃんの飼主さんは、

講演の後、涙を流しながらこう言って下さいました。

 

「この子の最初の飼主さんに、

あなたが手放した仔は、今でも元気ですよ、

生きてるんですよ…って教えてあげたい」

 

憎しみから生まれるのは、憎しみでしかない…

飼主さんの涙が、お言葉が、

私にはすごく嬉しかった…。

 

誰かを憎む前に、否定する前に、

ほんの少しの思いやる気持ち…

 

 

誰かを憎むことで、悲しむ命があるから…