地域の紹介① 「安田のシヌグ」

　今日　8月19日は本来であれば、国指定民俗文化財「安田のシヌグ」の日でした。
　新型コロナウイルス感染症による影響で行事はできないんですが、、、。

　次回は２年後となります。

　毎年旧暦7月の最初の亥の日（今年は8月19日）に五穀豊穣、無病息災、集落の発展を祈る400年以上続く伝統行事で、昼に「ヤマヌブイ」、夜に「ウシンデーク」があります。
　「ヤマヌブイ」は行事食のじゅーしーを早めに食べて、正午を合図に親族ごとにメーバ(集落の西)、ササ(集落の北)、ヤマナス(集落の南)の3カ所に向けて、赤ちゃんからお年寄りまで歩ける男たちは「ガンシナー」（藁でできた輪）を頭や腰に巻き、赤い実のついたミーファンチャー(ゴンスイ)の枝を携え、（トル）山登りを始めます。
　男たちは山の中でシダやつる草等を身体に巻きつけ、膝まずき山と海に祈りを捧げます。その後、小枝を杖に山の中をグルグルと廻り始め、太鼓に合わせて全員で「エーヘーホーイ」と掛け声を上げ、地面を小枝で叩き、祈りを捧げて全身に山の神のセジ（霊力）を宿します。

　午後１時になると、太鼓持ちを先頭に「エーヘーホーイ」と唱和しながら三方の山から降り、集落で合流するとグルグルを円になって女性、高齢者、病弱な人々を囲み「スクナーレ」と唱えて小枝でお祓いしてまわります。男たちには山の神のセジ（霊力）が宿ると信じられ無病息災を願って（トル）我先にとお祓いを受けます。その後も集落の各所を廻って同様の祈願をして、最後は砂浜で草木を脱ぎ捨て、海水と川水で身を清めて、神アサギのある広場に戻って一日神の役目を果たし「ヤマヌブイ」は終わります。
　夜になると、神アサギのある広場に村人が集まり、松明を灯し、安田区長の挨拶後、田の草を取り所作で広場をまわるタンクサトゥエー、海上安全祈願のヤーハリコーが演じられた後に、白と藍の着物に鉢巻をした女性陣が、小太鼓に合わせ輪になって歌い踊る「ウシンデーク」が始まります。

　「ウシンデーク」は無病息災や豊漁を神に祈る琉球古舞踊で、初めは静かにゆっくり、30分位すると急にテンポアップ、動きも激しくなり、鉢巻きを振り回しながら小走りにグルグルと広場をまわり始めて、広場から徐々に姿を消してゆきます。
　最後は、老若男女が入り混じってカチャーシーを踊り、長い一日は終わります。

　密着取材で記録されたものをご紹介します。