応援メッセージ　Vol.2 湊　和雄さん

「国内で新種の鳥発見！」の衝撃的なニュースから早40年。それまで全国的には知名度の低かった「やんばる」を全国区の地名に拡めた立役者がヤンバルクイナです。

しかし、その後のヤンバルクイナの置かれた状況は平穏なものではありませんでした。

　人為的外来侵入種による捕食、ロードキルなど21世紀初頭には、森で出会うヤンバルクイナの姿も激減しました。私も実際に路上での轢死骸を目撃したことも、目の前で野犬が咥えていた場面に遭遇したこともあります。

　その後、関係者の皆さんの地道なご努力の結果、発見時に近い状況まで復することができました。

　やんばる国立公園、世界自然遺産指定など制度的にはやんばるの森や野生生物の保護の状況は整ってきたようにも感じますが、実情は決して甘くありません。そして公的なアシストも未だ満足のいくものではありません。
　
　今後ますます注目を浴びるやんばるを少しでも好ましい状況に保つために、まずはシンボルでもあるヤンバルクイナの保護が拡充されることを切望します。

　そのためにも皆様のご理解、ご協力をお願い致します。

湊和雄
（動物写真家・日本自然科学写真協会副会長）