テールマークが付けられる台座があるのが、「たから」なんですヨ

前回最後の2枚の画像は、コンテナ特急「たから」にだけ設置されていたテールマークの台座のアップでした。

 

ヨ５０００形にはごく僅かですが、コンテナと同じ「黄緑色」の車掌車が存在していました。

コンテナ特急用として特別に運用されていたものです。

ですが、黄緑色になった頃は既に、テールマークはありませんでした。

 

テールマークが付いていた時代は短く、昭和34年から39年ごろに掛けてでした。

まだ亜幹線と呼ばれるローカル本線には蒸気機関車が走っていた時代です。

 

では本当に、このテールマークの台座が本物なのかで、ヨ５００３の真贋もハッキリするだろうと思い、１０月７日に、「車掌車」という書籍の著者、作家で医師の笹田昌宏さんにお越しいただいて鑑定していただきました。

 

 

 

ヨ５００３が本物かどうかは、塗装の履歴「塗層」で分かりました。

一番下が黒で、淡緑、黄緑、黒と現役時代が続き、保存後の緑色となっていました。

 

鉄板から剥がれ落ちそうな部分が沢山あって、遠慮なく剥がしてみますと、ちゃんと黒と淡緑、黄緑が付着していました。

笹田さんも大変興味深く観察されていました。

 

 

 

裏側です。

リベットまできっちり型になって残ります。

では、何故緑色がきちんと残ったのでしょう。

 

塗装で黒色は、洋服と同じで「裏透けしない」塗装です。

だから単に安いというだけでなく、塗膜も薄い、塗る量も少なくて済むという理由で貨車や蒸気機関車に使われました。

 

ですが淡緑色は「裏透けしやすい」パステル系です。

なので沢山の塗料を、何度も塗り重ねて厚くしないといけなかったのでした。

厚くなった分、今でもこうして残っていたわけです。

更に蒸気機関車の次に連結されることが多かった車掌車は、煙の煤が沢山車体に付いています。

淡緑色にする前にある程度は洗浄していると思いますが、黒塗装と淡緑塗装の間には剥離しやすい原因の汚れがずっと残っていたので、このようにかなり楽に剥がれてしまうのだと思います。

 

 

ちゃんと剥がれた塗膜には、黒から、淡緑、黄緑が付着していました。

 

車体は錆だらけなので、何を呑気にと思われるかもしれませんが、実は錆ってとても鉄道車両の保存環境には大切な要素があります。

これについては次回をお楽しみに！

 

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