障害×偉才（異彩）×自立

こんにちは、本プロジェクト協力者の斎藤と申します。2021年も残すところあと数日ですね。そして、このクラウドファンディングが終了する日も近づいてきました。ここまでご支援ご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

 

さて、皆様は「サヴァン症候群」という言葉をご存知でしょうか？

 

知的障害や自閉症などの精神障害を抱える人の中には、ある特定の分野（記憶力・数学力・芸術など）において並外れた能力・偉才を示す人がおります。脳の機能に何らかの障害を持つ一方で、特定の分野で卓越した能力を示すこと・それを示す人を「サヴァン」と言うそうです。

 

サヴァンと聞いて、映画「レインマン（1988年）」をご想像された方は多いのではないでしょうか。俳優ダスティン・ホフマン氏がサヴァン症候群の男性役（自閉症である一方、並外れた記憶力・計算能力を持つレイモンド役）を演じた作品です。

 

また、音楽の天才モーツァルトも生前は明らかなADHD（注意欠陥多動性障害）の特徴を示していたそうです。彼もサヴァン症候群であったと言われております。

 

皆様はこのような能力を持つ人を実際に見たことがおありでしょうか？

 

私には知的障害の弟がいるのですが、彼はある年月日が何曜日であるかを正確に答えることができます。例えば「1928年11月10日は何曜日？」と尋ねると「土曜日」と答えます（正否の判定はインターネット検索で行います）。過去未来に関わらず、どうして曜日が正確にわかるのか？とても不思議でなりません。

 

また、ある知人の息子様が自閉症を抱えているのですが、その子は新聞記事を一読しただけで、その内容を一言一句正確に覚えてしまうそうです。とてつもない記憶力です。

 

一部の欧米IT企業では、こうした優れた能力を持つ発達障害の人材が注目され始めていると聞きます。「周囲の協力と理解があれば、彼らの能力が発揮されうる」という考えのもと、障害を持つ一方で、高い能力を有する人材を発掘し、活用するようなシステムが組まれてきているそうです。

 

日本では、欧米と比べると、彼らの能力に注目して雇用する例は少ないのかもしれません。しかしながら、障害者雇用に前向きな会社は少しずつ増えてきているのではないでしょうか。私の弟も障害者雇用枠で飲食店に就業しております。

 

障害のある方々の中には、活躍の場があり収入を得ることは出来ていても、自身でお金を扱うことが困難な人は少なくありません。

 

映画「レインマン」でも、ダスティン・ホフマン氏が演じるレイモンドは、驚異的な記憶力と計算能力を持つ一方、お金に対する観念がありません。作中でお釣りの計算をたずねられて答えを間違えるシーンが見られます。

 

自立した社会生活を営むには、「衣食住＋生業」が必要ですが、働く場を持ち収入を得ていても、得られたお金を扱って衣食住の基盤を維持することが出来なければ、自立することは困難です。

 

障害の程度によっては、数字を読むことや硬貨を識別すること自体が困難な方もおられるかと思いますが、少しでも可能性があるならば、“自分で買い物が出来るようになってほしい”、“自分で買い物ができる喜び・楽しさを味わってもらいたい”というのが本プロジェクト関係者一同の願いであります。

 

同じお気持ちの保護者の皆様、障害者支援・教育に携わっている皆様にとって、このコインケースが闇夜の灯火となれば嬉しく思います。

 

引き続き本プロジェクトへのご支援ご協力を宜しくお願い申し上げます。