プロジェクト起案の経緯：公開時記者会見内容より（４）

 

 

これが診療の風景です。写っているのは私ですが、何を運んでいるのかというと、酸素濃縮器という機械です。

 

これについては後で詳しく話をします。

 

とにかく感染から身を守るための感染防護具、患者さんの自宅で実施するかもしれない点滴、投与する薬剤、酸素、こういった機械を持って患者さんの家を訪問します。

 

患者さんのご自宅に入るときは、私たち自身がウイルスの感染から身を守らなければいけませんので、こういった個人用の感染防護具というのを装着して患者さんの家に入ります。こんな格好をしている人が家の近くをウロウロしていたら、やっぱり周辺住民の方は気味が悪いと思いますよね。

 

患者さんたちの多くも、やはり自分たちがコロナに感染して家にいるということを、やはり地域の住民に知られたくないという方も多いんですね。

 

なので私たちはそっと目立たないように患者さんの家に行き、本当は患者さんの家の中はレッドゾーンなのですが、玄関先に清潔なシートを敷いて、患者さんの家の内側で着替えをして、それから診察に入ることもあります。
 

 

この女性は中等症Ⅰ、5日間、1時間おきに嘔吐して夜も眠れない状態だということで保健所に相談をし、私たちに対応の依頼がありました。

 

私たちの方で、非常に強い脱水でしたので、点滴をしてそして吐き気止めを点滴から注射をして、そこから先は飲み薬で吐き気を抑える薬を飲んでいただいて、3日後ぐらいには普通に食事がとれるようになり、そして彼女は今隔離期間を終えて無事回復をされています。

 

この女性も、7日間非常に強い吐き気で、ちょっと水分を取るんだけどすぐに戻してしまうということで、やはり保健所に依頼がありました。

 

酸素の濃度は保たれていましたので、病状としては軽症ということになるんですけど、7日間ごはんを食べられない状態、これでも軽症の分類をされてしまうのが、新型コロナなんですね。

 

彼女は熱とせきも非常につらくて、熱とせきを抑える薬と、そして脱水に対して数日間点滴を行い、そして彼女も今、回復して日常生活に戻っています。
 

（５）へ続く