クラファンコラム企画：私の想い（平田徹）

皆で患者さんの人生の中でともに考えて行動すること

私達医療者は、日々の診療の中で、患者さんによりよい医療を提供したいと、いつも考えております。よりよい医療が、精密な検査や正確な診断、効果的な治療法を提供する先にあると信じて、診療にあたっております。

しかし、この努力だけですべて満足いく結果につながることは実は多くなく、そこには患者さんごとに異なる背景があること、医療に不確実性が少なからず影響することがあり、必ずしも最良の結果に至ることができない場面があります。

一方、病状や患者さんのおかれた状況によって十分な検査が行えず、制限のある治療の提供しかできなくても、最良と思える結果に至ることもあります。それがなぜかを考える時に、医療は誰のものなのか、医療者の自己満足になっていないか、病気を診ずして病人を診よ（高木兼寛）、という原点に立ち返り、患者さんそれぞれの人生の中で一緒に考えること、皆で患者さんとともに何が医療に足りないのか考えて行動すること、これがクラウドファンディングに我々が挑戦したきっかけの一つでした。

皆の想いに触れ患者さんをより近くに感じられた経験は一生の宝

この私達からの無謀な問いかけに、多くの皆様からのあたたかい言葉とともに寄付をいただき、今回目標額に到達することができました。一つの奇跡であり、これからの私達医療者への期待と受け止めて、さらによい医療を行うことにつなげていきたいです。

クラウドファンディングを通して、皆の想いに触れ患者さんをより近くに感じることができた経験は、医療者として一生の宝です。心から感謝申し上げます。有難うございました。