メンバー④

「キベラ、ニュンバニ」

ケニア支部メンバー　笹田健史

A-GOALのメンバーで、キベラA-GOALリーグの運営サポートしているTKこと、笹田健史です。私はライターの仕事をしています。2022年の夏にナイロビを訪れ、賄賂と暴力がうごめく選挙時のキベラスラムを取材したのが始まりです。
そのときに助けてくれたのが今、一緒にリーグを運営しているケンとコリンズです。彼らはキベラ選挙区の候補者やサポーター、それ以外にも選挙活動を妨害するチンピラや裏で暗躍するヤクザなど、全ての人を私に紹介してくれました。選挙結果が発表され、スラムの人が暴動を起こす中でも、彼らは私を守ってくれました。
ここまでしてくれたのにお金などを一切要求しないケンとコリンズ。なぜ私のことを助けてくれるのかと聞くと、「友達を助けない奴がいるか」と返されました。

でもさすがに申し訳なくなった私は、何か希望はないのか、俺にできることはないか、とたずねます。すると2人は、「キベラスラムで子どもたちのためのサッカーリーグを開催したい」と言いました。彼らの希望は自分たちのためではなく、コミュニティのためのアクションでした。

「キベラ、ニュンバニ」

キベラの多くの人から聞こえてくるこの言葉、「キベラは家族」という意味です。キベラではコミュニティ全体で家族のように助け合い、幸せそうに生きています。多くの人を取材させてもらいましたが、キベラスラムから出たいという人に会ったことがありません。むしろ、「キベラはいいところ、お茶でも飲んでけよ」とみんな口々にいいます。
ケンやコリンズに助けられ続けた私は、この「キベラ、ニュンバニ」を深く実感するのです。そして助けられた私がコミュニティのためにできること、これがキベラA-GOALリーグでした。
サッカーを通じて子どもたちを守り、育てる。チプキジカップへの参加も子どもたちの未来を切り開くためです。また洪水や火災の被災者に食糧支援もする。将来的には清掃活動や雇用の創出にもつなげたい。

コミュニティのため、これがキベラA-GOALリーグのコンセプトです。チプキジカップ出場、そしてより広い地域でサッカーリーグを開催できるように、多くの方にマジナジュアになっていただければ幸いです。