私のお弟子さん

筋トレを始めて半年くらいの頃にたまたま市営のジムに入会希望で見学に来ていた当時69歳のＴさんというオジサマがいました。

Ｔさんはとても社交的でよく喋る方で受付スタッフに

「もうすぐ70歳になるから70歳までにベンチプレスを70kg上げれるようになりたいから入会します」

と話していました。

しかし実は筋トレ経験がほぼないＴさん、ちょうど私がスミスマシンでベンチプレスをやってるところへ来て言いました。

Ｔさん「女性が軽々とやれてるなら僕もこれくらいは簡単にできるよね。ちょっとやってみてもいいですか？」

私「これ40kgあるので無理だけはしないでくださいね」

Ｔさん「大丈夫、大丈夫。君は軽々と何回もやってたじゃない」

ラックアップ→プルプル→戻す

私&受付「⋯⋯⋯⋯⋯。」

Ｔさん「君っ！すごいね！僕持つだけで精一杯だったよ！」

次の日からＴさんは私のことを「師匠」と呼ぶようになり、他の会員さんに「僕は小林さんの弟子です」って名乗るようになりましたw

自分が思いのほかできなかったことに何も言い訳せずに他人を素直に褒めることって簡単にできることではないのにとても素直な方だなと好感が持てました。

毎日トレーニングに通い、40kgはすぐ上がるようになっていました。

そんなＴさんはコロナ禍が猛威を奮った影響でご家族からジムは感染の原因になりかねないから控えてほしいと言われジムを退会しました。

そのため私がパワーリフターになったことも伝えられず今の活躍も報告できていません。

地元の広報に載れば何かしらの形でＴさんの目に留まるかなと思いながら過ごしています。

最初で最後のお弟子さんＴさんは今もどこかでベンチプレスをやってくれていると信じています。

かずさ