ステロイド入ってる？【新】成分グループマーク

 

　市販のぬり薬は、ドラッグストアで多くの製品が売られています。ある日、そのパッケージを横並びにして眺めていましたら、ある気づきがありました。そして、次のコトバが頭に浮かびました。

 

ステロイド忌避（きひ）

 

　市販のぬり薬のパッケージの正面の画像をもとに、ステロイドを意味する文字を抜き出してみました（参照：クスリ早見帖ブック市販薬730[南山堂]）。

 

 

【ステロイドが入っている製品】

・アンテドラッグPVA配合

・体内で低活性になるステロイド薬

・副腎皮質ホルモン配合剤

・フルオシノロンアセトニド配合

・患部で効き、体内で低活性のアンテドラッグ　[アンテドラッグとは]皮膚表面の患部では抗炎症効果の高いステロイド剤として働きますが、そのあとは分解されて低活性となる薬剤です。

・PVA配合　アンテドラッグ型抗炎症成分

・抗炎症成分

・アンテドラッグステロイド配合

 

 

 　例外はありますが、多くの製品で「ステロイド」という用語は使われず、ステロイドに関する知識ないと、それが入っているとは気づかない表現となっていました。

 

 

　一方、ステロイドの入っていない製品についても見てみましょう。

 

【ステロイドの入っていない製品】

・ノンステロイド

・非ステロイド

・非ステロイド系

・非ステロイド剤

・ステロイド成分は配合されていません

・ステロイドは入っていません

　こちらは逆に、ステロイドが入っていないことが、すぐ分かる表現となっていました。

 

 

　おそらく、ステロイドの文字があるか、ないかで売れ行きに影響がでるのでしょう。世の中のいわゆる"ステロイド忌避"が、背景にあるのだろうなと感じました。

 

 

　セルフメディケーションの推進には、医薬品のことをご理解いただき、適切な使い方を周知していくことが大切ではないかと考えますので、このままでよいのだろうかと感じた次第です。

 

 

　そのような現状認識の中、クスリ早見帖の新デザインでは、成分グループマークを追加する方向で準備をすすめています。

 

 

　今回、掲載する製品候補をざっとみてみますと、ステロイドにあたる成分としては下記5つがありました。

 

・デキサメタゾン酢酸エステル
・ヒドロコルチゾン     
・フルオシノロンアセトニド
・プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル
・ベタメタゾン吉草酸エステル

 

 

　全部、記憶しておくことはたいへんですので、「ステロイド」とわかるマークを付けて、分かりやすくすることが狙いです。

 

 

　「成分グループマーク」については、ステロイド以外もこれから用意していきます。まずは、市販薬に使われている成分の一覧（当社のHPにリンク）を作成し、その全体像を把握しながら、病院・診療所・薬局・ドラッグストアなどでの情報ニーズを調べながら、成分グループを設定していきたいと考えています。

 

 

　とはいえ、この作業は簡単ではありません。例えば、イソプロピルアンチピリン（IPA）について、ピリン系解熱鎮痛薬とするか、非ステロイド系抗炎症薬（NSAID）とするかが、専門家によって見解が別れていたりしますので、そのような"ゆらぎ"をどうするかなど、悩ましい問題があるからです。薬学部の教育現場や、医薬品登録販売者への教育担当者との連携も、模索したほうがよいかもしれないと感じています（研究会とか立ち上げてもよいかも）。

 

 

　クスリ早見帖の2021年版が皮膚外用薬がテーマです。まずは、その限られた範囲の中で着手します。その後、かぜ薬や解熱鎮痛薬など、他の製品カテゴリーにも広げていく予定です。

 

 

 

　引き続き、応援よろしくお願いいたします。

 

株式会社プラメドプラス
代表取締役　平　憲二（医師）

 

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