Blue Cone Monochromacy(BCM)：青錐体1色型色覚

　QDレーザは2015年以来CSUN（カリフォルニア州立大学ノースリッジ校California State University, Northridgeが毎年３月に開催する世界最大規模の障害研究に関する学会、展示会）に出展しています。2017年３月の３回目の出展では、多くのロービジョンの方に体験頂く中、写真の男の子Joel Gomez(ジョエル　ゴメス）君がご両親とやってきました。

           Joel Gomez君とRETISSA。後ろはお母様と私。

 

　病名はBlue Cone Monochromacy(BCM)。赤と緑の錐体細胞が機能していない10万人にひとりの遺伝性疾患。症状は色覚異常(母親によると赤が黒、青がピンクに見えるそうです。今思えば、どうやって本人が見えている色を確かめるのか分からないのですが）に加え、強度近視、乱視、眼振、羞明等があり、矯正視力20/200=0.1以下、米国定義で（社会的)失明とのことでした。

　　　Joel Gomez君とRETISSA。中央はお父様。

 

Joel Gomez君とRetissa。

 

　RETISSAを掛けた瞬間に劇的に見えたようで、デモ用のデジタル映像に見入り、カメラで普段は見えない遠くの立看の文字を読んだり、数メートル離れたお父様が出す指の数を「Uno、Dos…」と数えたりしながら、「「Amazing!」を繰り返していました。

　お母様によると、彼は

The Vision of Children Foundation

に所属しているシンガーで、かつ陸上中距離の同世代のトップランナーであるとのこと。

Gifted singer and top-ranked athlete

サッカーが好きだったけど、見えないから転向したとのことでした。

 

　以上は５年前の話ですが、実はなんと彼は2021年の東京パラリンピックに出場していました（無観客開催でお会いすることはかないませんでした）。彼は４００ｍ、１５００ｍのスプリントに出場し、残念ながらメダルには届かなかったようですが、２４年、２８年、３２年を目指し、得難い体験をしたと想像します。

Encinitas Teen Joel Gomez Savored Tokyo Paralympics, Looks to ’24, ’28, ’32 Games

Joel Gomez chats with NBC’s Lewis Johnson after 400-meter semifinal at Tokyo’s Olympic Stadium. Photo via Gomez family

　

　QDレーザのRETISSA Display II＋RD2CAM(カメラ)、そしてRETISSA SUPER CAPTUREは、この３月のCSUNを起点として米国販売を進めていきます。彼はいまでもSan Diegoに住んでいるようなので、ブースへ来ていただけるよう、案内を差し上げようと思います。

 

株式会社QDレーザ　代表取締役社長　菅原充