
寄付総額
目標金額 5,000,000円
- 寄付者
- 357人
- 募集終了日
- 2019年7月24日
「児童労働の撤廃」がG20首脳宣言に入るまで
おはようございます。ACEの岩附です。
このクラウドファンディングも残り17日。
現在177人の方から3,916,000円のご支援をいただいています。
応援、ありがとうございます!
サミットが終わって早1週間。
日本は既に選挙モードですが、今日はG20に向けたACEの活動を少し振り返り
ご紹介させていただいたいと思います。
G20首脳宣言に、児童労働の撤廃の明記が3年連続されました。
この結果に私はホッと胸をなでおろしています。
なぜなら、毎年の首脳宣言の内容は各議長国の意向が反映されるものですが、2017年のドイツ、2018年のアルゼンチンに比べて、日本は児童労働などの労働搾取の問題についてこの2国と比べるとかなり関心が低く、労働分野を取り扱う作業部会からの提案にも含まれていないと聞いていたからです。
G20サミットは年に1回ですが、各大臣会合にあわせた官僚の準備会合はそれぞれ3,4回ほどあります。児童労働の問題は、「労働・雇用大臣会合」およびその準備にあたる「雇用作業部会(Employment Working Group)」でこれまで取り扱われてきました。
昨年アルゼンチンのメンドーサで行われたG20労働・雇用大臣会合では、宣言文に加えて、付属文書で「児童労働、強制労働、人身取引、現代奴隷撤廃のための戦略」を採択しています。
付属2 児童労働、強制労働、人身取引、現代奴隷撤廃のための戦略
1.社会保護、公正で適切な賃金、教育と訓練への参加、農村部の経済発展を促進する。
2.労働基準へのコンプライアンス向上のために、政府調達を活用する。
3.グローバル・サプライチェーンにおけるデューディリジェンスと透明性を促進する。
4.持続可能なサプライチェーンを進めていくための措置を講じる。
5.データの収集と共有を図る。
6.民間セクターや市民社会組織などとのソーシャル・ダイアログや新しいパートナーシップを培っていく。
そんな戦略が採択されたばかりの次の年のG20サミットの首脳宣言から、児童労働がなくなるなんてありえない・・・という気持ちで、この間危機感を持っ
て取り組んできました。
昨年は、それぞれの大臣会合が開催され、そこで宣言文が採択されてから、最後にG20サミットがあったので、各大臣会合での宣言が反映されるという流れでしたが、今年は労働雇用大臣会合よりも前にG20サミットが開催されるというトリッキーな順番だったため、これもまた状況の見通しをしずらくしていました。
そのような状態にあって、ACEが何をしてきたのか。
アドボカシー活動とはどういう活動なのか、イメージが湧かない方が多いかもしれませんし、これがそのすべてというわけでもなく、これが正解かどうかもわからないのですが、G20サミットの首脳宣言に児童労働撤廃の文言を入れるためにACEが何をしてきたのか少しお話したいと思います。
具体的には
1)G20雇用作業部会にあわせて、イベントを開催(2月と4月)
2)C20の「労働・ビジネスと人権」ワーキンググループにおいて、児童労働に関する提言を提案、C20政策提言書に含める
3)G20首脳宣言の中に反映してもらいたい文言案を作成し、関係者に送付
を通じ、この問題に比較的、共感度の高い国の官僚に直接働きかける、という戦略をとりました。
ここれではこの1)G20雇用作業部会にあわせて、イベントを開催(2月と4月)について、ご紹介したいと思います。
これまでACEのアドボカシー活動で培ってきた児童労働問題に熱心な国の官僚の方々に相談し、世界の労働官僚が集まるこの雇用作業部会の日程の最後の日、会議終了後にあわせて、SDG8.7 Dialogueを開催したのです。
2月の第1回は雇用作業部会の会場から歩いていける議員会館に、国会議員の先生にお願いして部屋を確保してもらい(予算がなかったので助かりました)、これまでカカオの児童労働問題などでも交流のある米国政府の官僚を通じて声をかけてもらいました。
雇用作業部会にずっと参加しているILOとOECDの2国際機関と、9カ国の代表の方々が、3日間の会議の後の17時から開始という設定にもかかわらず、来てくださいました。当日はACEから短いプレゼンをさせていただいた後、OECDやILOからもプレゼンをしてもらい、その後各国のこの問題に関する取り組み進捗を報告してもらいました。
共通の課題なども浮き彫りになり、各国参加者も学びになったと言っていただきました。その場も大変和やかにできたので、進行を務めた私としてもやりきった!という気持ちでした。
その後当日の内容をまとめ、参加したみなさんに発信し、共有、各国内での情報共有に役立ててもらいました。
そして第2回。なんと2回目の雇用作業部会の日程がC20サミットと丸被りという中、C20の3日目の夜にあたる4月23日夜に、SDG8.7 Dialogue Dinnerという形でイベントを開催しました。前回は会議室でのMTGで、同じことをしても、、、という気がしたので、協賛を募りスポンサーを見つけDinnerを囲みながらという形をとりました。
こうやって書いてみるといかにもスムーズにことが運んだように見えますが、すべて英語の進行、かつDinnerというのはACEでもやったことがなく、かつC20サミットの最後の日で私はもうヘロヘロで、かつ個人的にはこの期間夫が出張中で育児がワンオペ(親や近所やベビーシッターさん総動員)で、その前の週は首相官邸訪問もあり、そこから引き続きの「一輪車に乗ってジャグリングしながら綱渡り」状態で、まぁー大変でした。
この2回とも、ACEのチーム力でなんとかまとめあげ、参加してくださった国々の方々にもしっかりこのイシューの重要性を伝えることができました。こういうことができるチームにACEがなってきたことが、私自身もとても嬉しかったです。
そしてさらに良かったのは、この2回目のSDG8.7 Dialogue Dinnerは、The Japan Timesさんでその後記事にしていただいたことです。5月に記事が出たときに、ちょうど私はILOのAlliance8.7(児童労働や強制労働撤廃のグローバル枠組み)の会議にコートジボワールにいて、ILOの方から「そういえば、今日児童労働の記事を見つけたと思ったらACEの記事だったよ」といってもらいました。英語の記事にしてもらったことで、世界に私たちの活動が発信できたのです。
<その記事がこちらです>
そして、G20サミット前の、シェルパが首脳宣言を交渉している段階に入ったおりには、「ACEとしてはこういう文言を首脳宣言に入れてもらいたいと思っている、ぜひ各国シェルパにこれを共有してもらいたい」とこれまで参加してくださった官僚のみなさんにメールを送りました。
実際にそれがどれぐらいの効果をもたらしたのかは、残念ながらはっきりとはわかりませんが、「シェルパには伝えましたよ」というフィードバックはもらっています。そしてどこかの国が提案をしてくれて、無事首脳宣言に以下のような文言が入りました。
我々は,ディーセント・ワークを推進し,持続可能なグローバル・サプライ・チェーンの促進 を通じたものを含め,仕事の世界において,児童労働,強制労働,人身売買,及 び現代の奴隷制を根絶するための行動をとるというコミットメントを再確認する。
実はこれは昨年とほぼ同じ表現で、残念ながら前進はしていません(ACEの提案はもっと野心的でした)
それでも、今年の環境下ではこの文言すら入らない可能性が高かったので、ギリギリ入ったことは良かったと思います。
世界共通の課題には、世界共通の解決策が必要。
これはC20で何度も言っていることですが、NGOとして世界の問題に取り組む以上、世界共通の解決策を提案し実現していかなくてはいけないと思っています。そのためには、私たちも世界の舞台に出ていかなくては。
今回のG20サミットに関係する活動を通じ、G20諸国の一部の労働官僚の方々にはACEのことを知っていただくことができました。このような関係性を築きながら、これからもグローバルなレベルで児童労働問題に取り組んでいきたいと思っています。
今日は日本では七夕ですね。
児童労働の撤廃のアドボカシーをもうしなくてよくなる日を願って。
2019年7月7日 岩附由香
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