地方から伝える時代。

長く雑誌を作ってきて、東京から発信することが当たり前だった時代がありました。

日本の中心地、流行の先端地、経済の中心地、都市文化の中心地、東京。

多くの人々が東京の情報を求めていた時代がありました。

今でも、東京のお店が地方にできることや東京で流行っているものに刺激が受けることも多いのかもしれません。

東京への人口の一極集中は相変わらずですが、変わってきているところはあります。

サッカーやバスケットなどのプロリーグもその一つです。

大都市でなくともチームが生まれ地域に根付いています。

東京へ吸い寄せられる人々とあえて地方を目指す人たちがいます。

地方だから実現できるお店や宿、ものづくりもその一つです。

それに建築家やデザイナーも地方に増えました。

地方で生きる建築家やデザイナーの関わり方はビジネスという側面だけでなく、地方だからこそより深い関わりができているように見えます。

都市にあるような形態のショッピングビルが建ったとしても地域の文化になることはありません。買い物という機能や人が集まるという機能だけでは、人の想いに結びつかないからです。

地域の魅力はそこに住む人たちが作るものです。

そうした人たちの力になるような本でありたいと願っています。